恋愛感情を利用して売春強要、バイト募集で児童を誘い出す…おぞましい「人身取引」の実態

弁護士ドットコムニュース / 2020年10月19日 20時40分

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警察庁は10月19日、公式ウェブサイト上で、性的サービス・労働の強要など「人身取引」の被害実例に関するページを公開した。恋愛感情を利用して援助交際を強要されるケースや、借金返済のために売春を強要させるケースなどを紹介しつつ、人身取引やその疑いがあると思ったら、情報を提供するよう呼びかけている。

●日本人被害者は20歳未満が61.8%を占めていた

国際組織犯罪防止条約の「人身取引議定書」で、人身取引は下記のように定義されている。

「搾取の目的で、暴力その他の形態の強制力による脅迫もしくはその行使、誘拐、詐欺、欺もう、権力の濫用もしくはぜい弱な立場に乗ずることまたは他の者を支配下に置く者の同意を得る目的でおこなわれる金銭もしくは利益の授受の手段を用いて、人を獲得し、輸送し、引き渡し、蔵匿し、または収受すること」

警察庁によると、人身取引をめぐって令和元年に警察が認知した被害者数は44人、検挙した件数・人数は57件・39人だった。被疑者の国籍・地域別では、日本が38人で(97.4%)を占めた。また、風俗店関係者が8人(20.5%)、暴力団構成員等が5人(12.8%)だった。

一方、被害者の国籍・地域別では、日本が34人(77.3%)、外国が10人(22.7%)。外国国はフィリピンが9人、ブラジルが1人だった。性別はすべて女性で、過去5年間も女性が96.6%を占めた。年齢別は、日本人は20歳未満が61.8%、外国人は20歳代が90.0%だった。

警察庁は「人身取引は重大な人権侵害であり、人道的観点から迅速かつ的確な対応が求られているとの認識の下、警察においても、この悪質・卑劣な「人身取引」を撲滅するため、被害者の早期救出・保護、徹底した取締りなどを強化しています」として、人身取引やその疑いがあれば、情報提供するよう呼びかけている。

●児童が性的サービスを強要されるケースも

警察庁のウェブサイトでは、実例として、(1)恋愛感情を利用され他人との援助交際を強要される、(2)借金返済のために売春を強要される、(3)児童が性的サービスを強要される、(4)パスポートを取り上げられ強制労働させられる――という4つのケースがあげられている。

(1)恋愛感情を利用され他人との援助交際を強要される

①SNSで男性と知り合い、連絡を取り合い始める。交際スタート後は将来の結婚を匂わせる話も出るように。
②金に困った交際相手から、「別れないって約束する」「俺が大事なら、ほかの男と援助交際するしかないけど」と言われ、金を要求される。
③交際相手が自分になりすまし、SNSで買春を呼びかける。常にスマートフォンを通じて見張られ、多くの見知らぬ男との援助交際(売春)をさせられるように。
④将来の結婚を信じ、交際相手に援助交際で得た金を渡したが、実際は遊び代に使われてしまう。相手を想う気持ちが傷つけられる結果に。

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