「しつけのつもりだった」小6娘を丸刈りに、父親が逮捕…どこからが虐待になる?

弁護士ドットコムニュース / 2020年10月25日 10時12分

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自宅で小学6年生の娘の頭髪を丸刈りにした上、顔を蹴るなどして眼底骨折など全治約1か月の重傷を負わせたとして、父親が暴行・傷害の疑いで、兵庫県警に逮捕されるという事件が起きた。

産経新聞などの報道によると、8月に母親が「娘が家出をした」と通報。これを受けて警察が捜索したところ、丸刈りで顔にあざがある状態で発見したという。父親は、容疑を認めるも、「しつけのつもりだった」などと供述したようだ。

近年、東京都目黒区や千葉県野田市で、「しつけ」と称した親の暴力で虐待死するなどの事件が発生しており、「しつけ」に向けられる社会の目はこれまで以上に厳しくなっている。

顔を蹴るなどの行為が「しつけ」に当たらないのは当然だとしても、頭髪を丸刈りにすることは、今回の事件の父親が言うように「しつけ」として許されるのだろうか。佐田理恵弁護士に聞いた。

●「丸刈りにすることが『しつけ』に当たることはない」

ーー「しつけ」は法律上どのような位置付けでしょうか。

しつけとは、子供の人格や才能などを伸ばし、社会において自立した生活を送れるようにすることなどの目的から、子どもをサポートして社会性を育む行為を言います。

親権者には、懲戒権(民法822条)がありますが、これも子の利益のために行使されるものとされており、他方で、「児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律」により、親権者による体罰の禁止が明文で定められました。

ーーどこまでの行為が「しつけ」として許されるのでしょうか。

昔は、子どもに対して「しつけ」と称し、体罰が行われることがありましたが、現在では、体罰等が繰り返されることにより、子どもの心身に様々な悪影響が生じる可能性があるとされています。

そのため、しつけのためと親が考えていたとしても、体罰に当たる行為は許されません。なお、体罰とは、身体に何らかの苦痛を引き起こし、又は不快感を意図的にもたらす行為を言います。

ーー丸刈りにすることは「しつけ」に当たることはあるのでしょうか。

丸刈りにすることがしつけに当たることはありません。

頭髪を切る行為が、本人に対する制裁として行われる場合、身体に対する侵害を内容とするものであり、体罰に当たると考えます。

親子間であっても、丸刈りにすることは、不法行為に基づく損害賠償請求の対象となり得ます。また、刑事上、身体への有形力の行使として暴行罪に該当し得ます。

【取材協力弁護士】
佐田 理恵(さだ・りえ)弁護士
2007年弁護士登録。第二東京弁護士会所属。離婚・相続・子どもの問題などを多く扱っている。
事務所名:アストレア法律事務所
事務所URL:http://www.astraea-law.jp/

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