中国製バッテリーで自宅火災…被害男性、アマゾンを提訴 「巨大プラットフォーム」の責任問う

弁護士ドットコムニュース / 2020年10月29日 15時25分

写真

関連画像

巨大デジタルプラットフォームを相手取った"前代未聞"の訴訟がはじまる――。

大手ネット通販サイト「アマゾン」(Amazon)のマーケットプレイスで購入した中国製のモバイルバッテリーが出火して、自宅が火事になったとして、栃木県宇都宮市の男性が10月29日、アマゾン・ジャパン(東京都目黒区)を相手取り、損害賠償をもとめて東京地裁に提訴した。

●中国メーカー製造・販売のバッテリーが原因の火災発生

訴状などによると、原告の男性、加藤尚徳さんは2016年6月、アマゾンのマーケットプレイスで、中国メーカー製造・販売の充電式モバイルバッテリーを購入した。約1年5カ月後の2017年11月、自宅マンションで、火災が発生した。

弁護士ドットコムニュースの取材に加藤さんが当時を振り返る。

「モバイルバッテリーは容量が大きいので、一晩くらい充電する必要がありました。寝る前に充電していたところ、夜中3時に火災報知器が鳴って、びっくりして起きると、すでに燃え広がっていました。パンパンと、何かが爆発する音も聞こえました」(加藤さん)

加藤さんと家族はすぐに逃げ出したので、大事はなかったが、この火災によってリビングが半焼し、家財道具が焼けたり、煤けたりして、使い物にならなくなったほか、結婚式や子どもの写真、パソコンのデータなどもダメになったという。

その後、消防署の火災調査報告書で、出火は、モバイルバッテリーが発生源だったことがわかった。

●中国メーカーは誠実な対応をしてくれなかった

この火災による被害額は1000万円を超えたが、保険でまかなえたのは半分程度だった。

加藤さんはバッテリーの製造・販売会社と交渉したが、誠実な対応をしてもらえなかったという。しかも相手は中国メーカー。現地で訴訟することも検討したが、相当の時間・コストもかかるため、"訴訟経済的に見合わない"と断念した。

結局、2年かかってメーカー側から見舞金として約184万円を受けた。しかし、中国の弁護士費用などがかかり、加藤さんの手元に残ったのは、数十万円。アマゾンの対応にも納得いかなかったことから、今回の提訴に踏み切った。

訴状によると、アマゾンには、商品に瑕疵がないか、商品に問題が生じた場合にユーザーに適切な対応をとる事業者かについて、合理的な審査基準を設けて審査すべき義務や、保険・補償制度を構築する義務があったのにもかかわらず、果たしていないと主張している。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング