妻と義父母からの壮絶いびり「修羅の家」を脱出した夫の復讐劇【判例を読む】
弁護士ドットコムニュース / 2020年11月29日 10時18分

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妻以外の女性と同棲し、女性との間に子どももできたーー。
一般的に、このようなことをした既婚男性は、不倫をした「有責配偶者」であるとして、妻に離婚請求をすることは困難になるだろう。
しかし、有責配偶者にあたらないと判断される場合もある。
実際に、妻との婚姻関係が破綻した「後」に妻以外の女性と同棲を始めた場合において、同棲は「婚姻関係を破綻させる原因となつたものではない」として、男性からの離婚請求を棄却すべきではないと示した裁判例(最高裁第二小法廷昭和46(1971)年5月21日判決)がある。
なぜ、男性の離婚請求は認められたのだろうか。
●妻とその両親からの嫌がらせ→耐えかねて家を飛び出す判決文(一審:宇都宮地裁足利支部昭和42(1967)年2月16日、控訴審:東京高裁昭和45(1970)年10月29日)によると、男性(原告)は妻(被告)と1960年に結婚。
その後、妻の父親の強い希望もあり、男性は妻の両親と養子縁組をし、婿入りという形で同居生活を始めた。同じ年の12月、妻との間に子ども(男児)も生まれた。
ところがその翌月、男性は家を飛び出し、そのまま妻とその両親のもとに戻ってくることはなかった。
妻「毎日あんたと一緒なら死んだ方がまし」
裁判所が認定した事実によれば、男性は妻とその両親から数々の嫌がらせを受けていた。妻の父親は男性の親族を事あるごとに悪く言い、夫婦生活に干渉するようになった。夫婦の部屋に勝手に入り込んだり、男性に「男色行為を強要」したりしたこともあったとされる。
男性は妻に相談したが取り合ってもらえず、妻の態度も徐々に冷たくなっていった。ときには男性に命令的な態度をとることもあり、父の命令だといって別室で寝ることもあったという。
また、妻は父親や男性の母親などがいる前で、男性に「私はあんたと一緒になって一日として面白い、さっぱりとした日はない。毎日あんたと一緒なら死んだ方がましだ、毎日今日死ぬか明日死ぬかと考えている。父がこんな婿をもらったから、親戚づきあいも出来ぬ(注)」などの発言をしたこともあった。
こうして妻とその両親から辛くあたられ続ける日々に耐えかね、ついに男性は家を飛び出したのだった。
●同棲開始は、婚姻関係が完全に破綻した後男性は妻との離婚、そしてその両親との離縁を求めて提訴した。一審判決(宇都宮地裁足利支部昭和42(1967)年2月16日)は、男性の請求を認めたが、妻とその両親が控訴した。
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