血縁ない子の「認知」は無効――なぜ最高裁は「父親」の請求を認めたのか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年2月21日 9時19分

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結婚相手の女性には「連れ子」がいた。男性は自分の子ではないにもかかわらず「認知」して、その子の父親となった。しかしその後、女性と離婚することになり、男性は「あのときの認知は無効だ」と訴えた――こんな裁判で、最高裁は1月中旬、「血縁関係がなければ、父親の『認知』を無効にすることも可能だ」という判断を示した。

判決によると、男性は2003年にフィリピン国籍の女性と結婚。その翌年、女性の連れ子(当時8歳)について、血縁関係がないことを知りながら認知した。ところがその後女性と不仲になり、結果的に離婚したことなどから、「認知無効」の訴えを起こしていた。

血縁関係がなければ認知が無効となるのは、当然とも思える。しかし、民法785条には「認知をした父または母は、その認知を取り消すことができない」と書いてある。つまり、法律にそのまましたがうと、いったん認知をしたら、どんな理由があっても取り消せないとも考えられるのだ。

今回、最高裁判決はなぜ、「認知の無効」を認めたのだろうか。法律と矛盾するかのような判断をした理由は、どこにあったのか。家族法にくわしい打越さく良弁護士に聞いた。

●最高裁の考え方をまとめると・・・

打越弁護士によると、最高裁判決の考え方は、次のようなものだという。

「そもそも、血縁上の父子関係がないにもかかわらず認知がなされた場合、本来、その認知は無効だったはずだ、という考え方が、最高裁判決の根本にあります。

条文上の根拠としては、民法786条があります。そこには、『血縁上の父子関係がないにもかかわらずされた認知』については、利害関係人なら『無効だ』と主張できる、書かれているのです」

では、「認知をした父は、認知を取り消せない」とする民法785条については、どう考えたらいいのだろう。

「たしかに、民法785条によって、父親は認知を取り消すことができないと決められています。しかし、認知に至る事情はさまざまなので、自らの意思で認知したからといって、認知者自身による無効の主張を一切許さない、と解釈するのはよくないといえます。

たとえ認知を受けた子を保護するという観点でみたとしても、認知者自身による無効の主張を一律に制限すべき理由は乏しいと考えられます。もし実際の事例で不都合が生じるときは、権利濫用の法理などを持ち出して、無効の主張を制限すればいいということです」

打越弁護士は、このように最高裁の考え方を説明する。

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