あの「マスク拒否」男性、今度はホテルでトラブル…「宿泊拒否」できないの?

弁護士ドットコムニュース / 2020年12月3日 10時26分

——宿泊拒否にともなう法的な問題点は、ほかにもありますか。

マスク着用の有無で宿泊客を区別することが、憲法14条(法の下の平等)の趣旨に反しないかどうかが問題となります。

この点、憲法14条が禁止する「人種や性別等」による差別ではなく、マスクを着用しない人を宿泊させないことには衛生上合理性があることなどから、マスクを着用しない客の宿泊を拒否することは憲法14条の趣旨に反しないと考えます。

——男性はブログで、「宿泊拒否は『強要罪』に該当する」と主張しているようです。

強要罪は、人に危害を加えると伝えたり、暴行・脅迫がなければ成立しません。宿泊を拒否すると伝えただけでは強要罪とはならないでしょう。

——食事会場で起こしたトラブルがホテルに対する威力業務妨害罪などに該当することはありますか。

威力業務妨害罪が成立するためには、「威力を用いる」ことが必要とされます。「威力を用いる」とは、暴行・脅迫をしたり、地位・権勢の利用をするような場合を言います。

単に食事会場に入ろうとしたとか、出ようとしなかったというだけでは、威力業務妨害罪は成立しないと考えられます。

●約款や利用規約でマスク着用を定めることも有効

——今後、同種のトラブルを避けるため、ホテル・旅館などはどのような対策をすべきでしょうか。

多くのホテルはすでにおこなっているでしょうが、原則、マスクの着用が必要であることをしつこいくらい、かつ、わかりやすく周知することが重要です。

宿泊予約の際にマスク着用について了解を取る運用を行う、約款や利用規約でマスク着用について規定するなどの対策も有効だと思います。

【取材協力弁護士】
齋藤 裕(さいとう・ゆたか)弁護士
刑事、民事、家事を幅広く取り扱う。サラ金・クレジット、個人情報保護・情報公開に強く、武富士役員損害賠償訴訟、トンネルじん肺根絶訴訟、ほくほく線訴訟などを担当。共著に『個人情報トラブル相談ハンドブック』(新日本法規)など。
事務所名:さいとうゆたか法律事務所
事務所URL:https://www.saitoyutaka.com/

×


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング