レコード会社が勝手に「ベスト盤」発売!? アーティストに相談しなくても問題ない?

弁護士ドットコムニュース / 2014年2月26日 10時56分

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「3月に出るアルバムはバンドの意思で出す作品ではありません。レコード会社が一方的に出す作品です」――。若者に人気のロックバンド「クリープハイプ」が2月中旬、このようなメッセージを公式サイト上に掲載した。

「クリープハイプからみなさんへ」と題された、メンバー連名のメッセージによると、3月に発売予定のベストアルバムは、タイトルや収録曲、発売日などがすべて、レコード会社によって決められたという。メンバーや事務所には一切連絡がなく、ニュースを見て初めて発売を知ったそうだ。

メッセージには、「どうにかならないか1週間、メンバーとスタッフと何度も話し合って、それでもどうにもならなくて、契約にも法律にもレコード会社にも、今まで守られてきた物に、こんなに苦しめられるとは思いませんでした」と綴られていた。

アーティストに断わりもなく、レコード会社がこのようにアルバムを作って販売しても、法的には問題とならないのだろうか。著作権問題にくわしい井奈波朋子弁護士に聞いた。

●音楽バンドは「録音権」を持っている

「音楽バンドは、著作権法でいうと、『実演家』に該当します。

実演家にはその実演を録音する権利があります。この録音権は、最初に録音することに対してだけでなく、すでに録音されたものを増製することにも及びます。

レコード会社がアーティストのベストアルバムを制作する場合、すでに録音されているアーティストの音源を再び利用し、増製することになります。

つまり、この録音権が及びますので、録音権を持っている人の許諾が必要となります」

そうすると、今回のようにレコード会社が一方的にベストアルバムを制作するのは、問題ではないか?

●契約で録音権はレコード会社に帰属するのが普通

「多くの場合、アーティストとレコード会社の間には、『専属実演家契約』が締結されています。

本件では、レコード会社とアーティストの具体的契約内容はわかりませんが、専属実演家契約においては、実演家が実演に対して有する録音権などの権利は、レコード会社に対して譲渡され、レコード会社に帰属する取り決めをするのが普通です。

アーティストは、その代わりに、いわゆるアーティスト印税といわれる対価を受け取ることになります」

すると、結論としては……。井奈波弁護士は次のように話している。

「レコード会社は、このような契約に従って、ベストアルバムを制作し、発売しようとしているものと考えられます。

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