急なセクハラ・パワハラで録音できず…それでも「勝てる」メモの残し方

弁護士ドットコムニュース / 2021年1月17日 10時14分

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職場のセクハラやパワハラに苦しみ、加害者に法的な責任を求めたいとき、証拠としてどのようなメモを残せばよいのだろうか。

セクハラの被害を受けたが、録音できなかったのでメモしかないという相談が、弁護士ドットコムに寄せられた。

相談者は、会社の社長との食事会で、言葉のセクハラを受けたという。社長自身が経験した性行為の描写を話してきたほか、「こちらに下ネタを話すよう誘導質問してくる」などの言動もあったそうだ。

後日、会社の人事部に報告し、社長からの謝罪を要求したものの、認められなかった。

「セクハラされるとは思わず録音はしていません。食事会終了後の記憶がしっかりしているうちに、社長が何を話したかメモは取りました」

会食には、他に女性も同席していたが、証言してくれるかどうかは不明だ。「会社にセクハラの事実を認めさせ、社長から文書にて謝罪がほしい」とする相談者は、慰謝料を求める考えもある。

どのようなメモが有力な証拠になりえるのだろうか。岩城穣弁護士が解説する。

●「具体的」かつ「詳細」なメモを書こう

ーーセクハラやパワハラの被害を受けた際、どのような「メモ」を残しておけばよいのでしょうか

メモには次のような特性があるため、録音よりも信頼性が低いとみなされがちです。

(1)実際の言葉や行動よりも、おおまかで抽象的な記述になりがち。 (2)あえて事実と異なる内容も書くことができる。 (3)発言・行動からメモまでに時間が空くほど、記憶があいまいになる

そこで、裁判の証拠として信頼されるメモを作るコツをお伝えしたいと思います。

(1)の「抽象的」と言われないように、とにかく細かい所を具体的に、かつ、詳しく書くことが大切です。「○○のことでひどいことを言われた」というメモでは証拠としては不十分です。できるだけ具体的な言葉を思い出して、やり取りを再現しておくことが必要です。

また、実際に言われたこと・やられたことを具体的に詳しく書くのは、(2)『事実と異なる』と反論されることへの対策にもなります。できる限り思い出して詳細に書けば書くほど、迫真性、説得力が増すことになります。

(3)「記憶があいまいになる」という点については、被害を受けた直後に書くことに尽きます。言われた言葉や加害者の表情、周囲の状況、自分の精神的苦痛など、まだ詳しい印象が強烈に残っている段階で書くことによって、真実に迫るメモになりますから。

何か起きたら、すぐに手書きで内容をメモして、それをスマホやデジカメで撮影し、自分宛にメールを送っておけば、その日付のデジタルデータから、メモを直後に作成したことを示すことができ、よりいっそう証拠能力が高まるでしょう。

【取材協力弁護士】
岩城 穣(いわき・ゆたか)弁護士
1988年弁護士登録、大阪弁護士会所属。過労死問題をはじめ、労働・市民事件など幅広く活躍する「護民派弁護士」。
事務所名:いわき総合法律事務所
事務所URL:http://www.iwakilaw.com

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