テレビ業界「働き方改革」のまやかし しわ寄せは制作会社へ、はびこるサービス残業

弁護士ドットコムニュース / 2021年1月16日 9時39分

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さまざまな業界で進む「働き方改革」。対応は報道する側のメディア業界にも求められている。

元テレビ朝日プロデューサーで、現在はフリーランスとして活動する鎮目博道さんによると、実際にテレビ業界も働き方改革に取り組んでいるという。

ただ、コンテンツ量自体は増加傾向にある。結果として、負担が減る人がいる一方、そのしわ寄せで、労働環境が悪化した人もいるという。鎮目さんに寄稿してもらった。

●一番仕事をしなければいけない層はより過酷に

「忙しい」「超ブラック」というイメージが強いテレビ制作の仕事。「テレビ業界で果たして働き方改革は進んでいるのか」というテーマについて一言で結論を言うとすれば「一部で働き方改革は進んでいます。しかし、そのことが他の大部分の働き方をさらに過酷なものにしています」というのが正しいのではないでしょうか。

別の角度から言うと、働き方改革が進んだのは、番組上層部と下層部にいる人間だけで、中間層の「実際に一番仕事をしなければならない」実働部隊は逆に仕事量が増えて、さらに厳しい勤務実態になっています。

しかもその増えた労働量は、把握されず地下に潜ってしまっていて、いわば「構造的に勤務時間が把握されず、自発的にサービス残業を増やさざるを得ない」という酷い状況になってしまっているのです。

●番組制作のピラミッド構造

この問題を理解するには、まず業界の仕組みを理解することが必要です。

テレビ業界はご存知の通り、圧倒的に立場の強いテレビ局と、そこから番組制作を受注する、いわば下請けの番組制作会社。さらにはその番組制作会社から仕事をもらう孫請け的立場の人材派遣会社やフリーランスとで成り立っています。

そして、番組制作現場のピラミッドの頂点にいるのはテレビ局のプロデューサー(局P)などの制作責任者です。彼らは制作会社が納品した番組のクオリティーチェックを行うとともに、番組制作全般について指導監督を行います。

番組スタッフの「働き方」についても、管理はしませんが注文はつけます。「スタッフにあまり残業をさせないように。特にADの過酷な労働環境は世間的にも問題になっているので、あまりこき使わず、ちゃんと毎日家に帰らせるように」などと番組制作会社の責任者である制作プロデューサー(制作P)に指示するのです。

●制作会社の仕組み

では、テレビ局から番組制作を受注した番組制作会社は、どのような人員で番組を作っているのでしょうか。

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