一審勝訴した今も「ハラスメント文書」配布やまず…フジ住宅を提訴「在日女性」の苦悩

弁護士ドットコムニュース / 2021年1月25日 10時45分

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「会社が良くなることを願って裁判に踏み切ったのですが、『こんなはずじゃなかったのに』という思いでいっぱいです」。大阪府在住の在日コリアン女性のAさん(50代)は、勤め先の「フジ住宅」(岸和田市)と同社の会長を相手取り、損害賠償を求める裁判を起こしている。

社内で「在日を含む中韓北朝鮮の国籍や民族的出自を有する者に対して「死ねよ」「嘘つき」「卑劣」「野生動物」などと激しい人格攻撃の文言を用いて侮辱」する文書を配布され続けたことや、会長からの呼びかけで「新しい歴史教科書をつくる会」による育鵬社の中学校教科書の採択を求めるアンケートを提出してくるように求められたことに長く苦痛を感じてきた。

Aさんは2015年1月、特定の民族を貶める文書の配布をやめるように会社に申し入れた。しかし、その後も文書配布はやまず、大阪弁護士会に人権救済を求めたところ、会社から退職を提案されたことから、提訴に踏み切った。

1審・大阪地裁堺支部は今年7月、会社と会長に110万円の支払いを命じて、Aさんが勝訴した。それにもかかわらず文書配布は続いているという。そこでAさん側は11月、控訴審予定の大阪高裁に文書配布の差し止めを申し立てた。(ライター・碓氷連太郎)

●「会社にいるのがとてもしんどい日もある」

「1審判決が出てから約5カ月経ちますが(編集部注:取材時)、以前よりも体調が悪くなりました。動悸はするし、ときどき心臓がギュッと動いて苦しくなることがあります。毎日出社していますが、会社では変わらず韓国や中国を貶めたりする内容の記事や、自分を攻撃するために判決をないがしろにする文書などの配布が、今も続いています。

また弁護士さんによると、判決直後の2020年7月に90名の社員の私と判決を非難する内容の感想文を配布され、その翌月にも、7月に配布された感想文の中で特に内容のひどい、10名程度の文書の内容をまとめた感想文が配布されました」(Aさん)

Aさんを支援しているNPO法人「多民族共生人権教育センター」の文公輝さんによると、「いいがかり裁判」「反日裁判官」などと書き連ねている中に、Aさんを中傷する文言が見られるそうだ。

裁判が進行する中で、裁判長が、会長や傍聴人に「ブルーリボンバッジ」をはじめ、メッセージ性のあるバッジを外すように命じた。これによりバッジが着用できなくなったが、今井会長と傍聴人の代表2名は11月17日に、「(バッジ着用禁止は)憲法で定められた、表現の自由の侵害にあたる」として、国を相手取り、390万円の支払いを求める裁判を起こしている。

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