犬の事件簿「ドッグラン」で起きた悲劇 「愛犬」が咬まれて大ケガ、飼い主は謝罪なし

弁護士ドットコムニュース / 2021年2月17日 10時21分

写真

関連画像

リードなしで自由に犬が走り回れる「ドッグラン」では、ときに悲惨な事故も起きるようです。弁護士ドットコムにも、愛犬が咬まれたという女性からの相談が寄せられています。

相談者の愛犬(中型犬)はドッグランで大型犬に咬まれ、手術が必要なほどの大ケガを負いました。

大型犬の飼い主である相手からの謝罪はありませんでした。また、相手はドッグランの利用規定に「ドッグラン内で入場者及び入場犬同士のトラブルで起きた、けが等にかかった医療費賠償金等は当事者同士の請求ができません」という一文があることを理由に、「お金は支払わない」の一点張りだといいます。

相談者は「お金の問題ではありません。誠意のかけらもない相手に、何もせずに引き下がるのは悔しいんです」と納得いかない様子です。

このような規約がある場合、加害者側に請求はできないのでしょうか。坂野真一弁護士の解説をお届けします。

●規約上、加害者側に損害賠償請求することは困難だけれども…

ーー被害者側である相談者は、加害者側に損害賠償請求をおこなうことはできるのでしょうか。

ドッグラン利用約款(利用規約)の詳細が分からないので確たることは言えませんが、概ね一般論としては次のように言えるかと思います。

今回のケースの場合、ドッグラン利用規約に「入場者・入場犬同士のトラブルで起きたケガ等にかかった医療費賠償金等は当事者同士の請求ができません」との規定があるということです。

通常、入場犬同士のトラブルは、犬が民法上は動産とされている結果、その持ち主である入場者同士のトラブルの問題になります。

この入場者同士でトラブルが生じ損害が発生した場合、被害者は加害者に少なくとも過失があれば、不法行為に基づく損害賠償請求が可能です(民法709条・718条)。

ーー今回のケースの場合、規約では、特に制限もなく当事者間で「請求ができない」と規定されているそうです。これは、どのような趣旨なのでしょうか。

ドッグラン内において、入場者・入場犬同士のトラブルが発生してケガ等をしたとしても、お互いの落ち度に関係なく、相手方に対する損害賠償請求権を放棄して、なんら請求しないという趣旨だと考えられます。

したがって、当該ドッグランを利用する人は、トラブルが発生して犬がケガ等を負っても、その損害についての賠償請求権を放棄することをあらかじめ承諾した上で、ドッグランを利用していることになると考えられます。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング