毒親に「あんたを育てた費用を返せ」と3000万円を要求された…払わないとダメなの?

弁護士ドットコムニュース / 2021年2月13日 9時20分

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「あんたなんか生まなきゃよかった、出産費用返して」「今まで育てるのにかかった費用全部返して」。ネット上には、実の親からこのように言われ、悩んでいる人たちの声がみられます。

中には、就職したとたん、親に「これまでかかった費用を返してもらうから」と給料の大半を持っていかれているという人も。毎日のように親に「大学費用返せ」と言われ続け、精神的に追い詰められているという人もいます。

弁護士ドットコムにも「母親に、今までにかかった養育費(3000万円)を返せと言われました。一括で返せなければ分割で払えと。支払わなければならないでしょうか」という相談が寄せられています。

親から支払いを求められた場合、支払わなければならないのでしょうか。本田麻奈弥弁護士に聞きました。

●親に「どんな法的な権利に基づく請求なの?」と聞いてみる

ーー相談者のように、親に「今までにかかった養育費(生活費、教育費など)を返して」と言われた場合、子どもはどのように対応すればよいのでしょうか。

親から養育費を返せと言われた場合、当然ですが、子どもの立場としては応じたくない、応じられないと考えるでしょう。その子ども側の思いを法的に理論づけるとしたら、どういった「主張」になるかを考えてみましょう。

まず覚えておいてほしいのは、権利というものは、その権利を行使する側が、権利の存在や中身を主張したり、立証しなければならないということです。

ですから、養育費の返還を求められた時に子ども側が最初にすべきことは、「養育費を返して」という親に対して、その請求の根拠・中身を聞き、明らかにすることです。

「どんな法的な権利に基づく請求なの?」

実は、この質問をすることこそ、請求を受けた子ども側がするべき対応といってもよいかもしれません。

「お金を返せ」という請求の代表例は、借金返済を求めるケースです。しかし、借金返済を求める権利は、ただお金を渡しただけでは足りず、返済の約束がなければ発生しません。

親が子どもの養育費を払う時に、子どもとの間で養育費の返済の約束をするということはまずないでしょう。万が一、未成年の子どもが親に借金返済の約束をさせられていたとしても、その約束が法的に簡単に有効になることはありません。

ーー大学や大学院の学費、塾や習い事などの教育費の返還を求められた場合についても、親が子どもに請求する法的な権利はない、ということでしょうか。

そもそも、親には子どもを扶養する義務があります(民法877条1項【注※】)。親が教育のために経済的な負担をして子どもを育てるのは、こうした扶養義務の実践にほかなりません。

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