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被告人に投げられた石を「代わりに受け止める」 難事件を無罪に導いた亀石倫子弁護士の気概

弁護士ドットコムニュース / 2021年2月13日 9時55分

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刑事弁護人として知られる亀石倫子弁護士は、いくつもの困難な裁判を手がけ、勝利してきた。

客にダンスをさせたとして、クラブが風営法違反に問われた事件では、最高裁で2016年、無罪を勝ち取った。

警察による令状なしのGPS捜査が違法だと訴えた裁判では、弁護団で主任弁護人をつとめ、2017年に最高裁で違法判決を勝ちとった。

そして、医師免許なく客にタトゥーを入れたとして彫り師の男性が医師法違反の罪に問われた裁判でも、控訴審で逆転し、最高裁で昨年9月、無罪判決を確定させた。

しかし、こうした華々しい活躍の影で、刑事弁護人の仕事には、ある種の難しさがともなう。「なぜ逮捕されるようなことをした人の弁護をするのか」「刑を軽くしようとしている」と言われ、世間からなかなか理解されない。

それでもなお、亀石弁護士が刑事弁護にこだわるのはなぜか。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)

●なぜ「大麻厳罰化」に反対するのか

亀石弁護士にインタビューをしたのは、大麻使用の罰則化を検討するため、厚労省が有識者会議を開くというニュースが報じられた直後だった。現行の大麻取締法では、大麻の栽培や所持について罰則はあるが、使用は対象となっていない。

亀石弁護士は、かねてより「日本の大麻規制は不合理だ」との立場をとる。この流れをどうみているのだろうか。

「使用罪を創設することは、時代の潮流に逆行していると思います。世界では、薬物のハーム・リダクション(被害の低減)といって、刑罰を与えるよりも、その人自身の健康に与える害や第三者に与える悪い影響をいかに最小限にしていくか、という取り組みが注目を集めています。

薬物対策は、大麻を含めた薬物犯罪の非犯罪化に変化しています。そういう中で、国内で使用罪を創設して、取締りを強化するという流れには、疑問がわきます」

大麻といえば、昨年9月、俳優の伊勢谷友介さんが所持罪で逮捕される事件があった。警視庁東京湾岸署から保釈された伊勢谷さんが、黒いスーツ姿で頭を深々と下げ、謝罪した姿が強く印象に残っている。

「人でも殺したのか、というくらいのイメージですよね。大麻を使ったことについて、警察や厚労省によるイメージの植え付けも、あまりにも世界のスタンダードとかけ離れています。

それに対して、メディアも無批判で、右から左に流しています。視聴率が稼げるからですよね。でも、世間に『重大犯罪』という印象を与えて、才能のある人を社会から放逐することは、私たちの社会にとって有益なことは何一つないと思っています。

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