市道の脇に生えたバラでケガをした! 道路を管理する「市」に責任はあるか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年3月5日 14時14分

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道路の脇に生えていたバラのとげで顔にケガをしたとして、滋賀県大津市の女性が道路を管理する同市に対して、慰謝料などを求める裁判を起こした。産経新聞によると、請求額は約260万円だという。

報道によると、女性の主張は次のようなものだ。2011年3月に、大津市の市道を歩いている途中、後方からきた車を避けて道路脇に寄った。そのとき、側溝にたまった土から生えていたバラのとげが顔面に当たり、額から頬にかけて長さ7センチのすり傷を負った――そして、女性は「市は除去すべきバラを放置した」と主張して、今年1月に裁判を起こしたというのだ。

市道を管理する市には、道路を安全な状態に保つ義務があるだろうが、どの程度まで求められるのだろうか。道路の脇に生えていた植物でケガをしたような場合でも、市は賠償責任を負わないといけないのだろうか。行政訴訟にくわしい野村創弁護士に聞いた。

●「公の営造物」に関するトラブル

「今回のようなケースで問題となるのは、国家賠償法2条1項に定める『公の営造物』の設置・管理の『瑕疵』が認められるかどうかという点です」

野村弁護士はこのように切り出した。「公の営造物(おおやけのえいぞうぶつ)」「瑕疵(かし)」と難しい言葉が出てきたが、どういう意味だろうか。

「まず、『公の営造物』とは、公の利用に供するため、国や公共団体が設置・管理する物や施設のことで、具体的には、国や自治体が管理している道路や河川などを指します。

また、公の営造物の設置・管理の『瑕疵』とは、その物や施設が通常有すべき安全性を欠いている場合をいいます」

今回は、「市道」におけるトラブルなので、「公の営造物」に関する問題といえるだろう。では、その管理に「瑕疵」があったといえるのだろうか。

●「通常有すべき安全性」を欠いていたか?

「一般的に、市道の管理者である市は、通常有すべき安全性を確保するため、道路の利用者である車両や歩行者に危険が及ばないようにする義務があるといえます。

ただ、側溝にバラが生えていたことをもって、通常有すべき安全性を欠いていたかといえるのか。逆に言えば、市がこのバラを除去する義務があったかどうかは、それぞれの事案の具体的状況によって、判断が異なってきます」

このように野村弁護士は説明する。

「問題となっている市道についていうと、歩道や路側帯の有無や幅の広さのほか、側溝に生えていたバラの生育状況や後方からきた車両の運転態様などを総合的に勘案して、『通常有すべき安全性』を欠いていたかどうかが、判断されることになります」

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