コロナ禍の危機意識を増幅させた「ワイドショー」の存在感 橋元良明教授が語る「情報行動」論

弁護士ドットコムニュース / 2021年3月2日 9時55分

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1月に出された2回目の緊急事態宣言で、人々の意識はどう変わったのだろうか。

日本人の情報行動について長年研究を続ける東京女子大学の橋元良明教授によると、2回目の緊急事態宣言をめぐる意識調査を実施した結果、人々の危機感や自粛意識と、テレビのワイドショー番組の視聴時間に強い関連性がみられたという。

橋元教授は「マスメディアの影響は非常に大きい。特に、ニュース番組よりも、連日、コロナ関連のニュースを取り上げ続けるワイドショー番組によって、危機感が増幅されている」と語る。調査結果と、その分析について聞いた。(新志有裕、武藤祐佳)

●2回目の緊急事態宣言、1回目よりも危機感や自粛の意識は低下した

――どのような調査を実施したのでしょうか。

1回目の緊急事態宣言が出されていた2020年4月15日から17日、約3000人を対象に意識や行動を尋ねるアンケート調査を行い、結果を公表しました。そして、2021年1月7日に緊急事態宣言が出された後、1月20日、21日にも約3000人を対象とした同様の調査を実施しています。調査はいずれも橋元研究室グループとNTTセキュアプラットフォーム研究所の共同研究の一環として行われました。

――2回目の緊急事態宣言時の人々の意識や行動の変化は、1回目と比べてどう変わったのでしょうか。

結果を比較すると、2回目は1回目に比べ、「新型コロナウイルス感染症に対する危機感」や「外出を自粛しなければいけないという気持ち」が宣言後に増えたという人の比率がかなり低下しています。

危機感が「とても増えた」と回答した人の比率は、1回目の59.6%から、26.5%に減少しました。外出自粛の意識も同様で、1回目の62.7%から、29.7%に減少しています。

新型コロナウイルスの致死率などに関する実態の認識が広がり、恐怖心自体がかなり減少しているからだと考えられます。

――年代による違いはないのでしょうか。

若年層の危機意識が低い、と言われることはありますが、とくに2回目の調査では、「とても増えた」という回答比率には年代による大きな差は見られませんでした。

●ワイドショーがコロナの話題をずっと放送することで、人々の意識に影響を及ぼした

――多くの人が外出自粛やマスク着用を続けているのは、日本人ならではの同調圧力が働いているという指摘もありますが、どうみますか。

数値データがあるわけではありませんが、日本のように同調志向が強い社会では、同調圧力が外出自粛やマスク着用につながっている側面は強いでしょう。

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