体罰を容認する米国の「お尻ペンペン法案」 教育のために「体罰」を認めるべきか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年3月9日 13時5分

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「言うこと聞かなきゃ、お尻ペンペンするよ!」。日本では、ひと昔前のものになったといえる子どもへのお仕置き方法だ。そんな「お尻ペンペン」を法的に容認する法案が、アメリカの地方議会に提出され、話題となっている。

CNNによると、この「お尻ペンペン合法化」法案は、アメリカ中西部のカンザス州議会に提出された。教師や保護者が、言うことを聞かない子どもに対して、「平手で服の上から臀部(でんぶ)を叩くことを10回まで認める」という内容だ。子どもの肌が赤くなったり、あざができることまで許されるという。

体罰問題で揺れる日本では、ちょっと考えられないような法案だが、アメリカでは一定の条件のもとで、こうした体罰が認められている州がほかにもあるのだという。日本の社会でも、教育的な観点から、子どもに体罰を加えることを容認していくべきなのだろうか。子どもの人権にくわしい杉浦ひとみ弁護士に聞いた。

●学校教育法で「体罰」は禁止されている

「アメリカでは、約3分の1にあたる19の州で体罰が合法とされていると聞いています。その多くは、木の板を使って子どものお尻を叩く『パドリング』という方法です」

このように杉浦弁護士は指摘する。つまり、「お尻ペンペン」は、アメリカではすでにいくつもの州で合法のものとされているのだ。

「しかし、日本では、学校教育法11条で、教師による体罰が禁止されています。この点、体罰に教育効果がなければ、もとより禁止すべきだといえます。ただ、もし教育効果があるのだとすると、暴力行行為であっても『相当性がある』として、違法性がなくなる余地がないわけではありません」

そうなると、体罰に教育効果があるのかどうかが問題となるが、その点についてはどう考えればいいのだろう。

「たとえば、スポーツの世界で体罰を経験してきた元プロ野球選手の桑田真澄氏は、体罰の教育効果について、次のように語っています。

“体罰を受けた子は、『何をしたら殴られないで済むだろう』という後ろ向きな思考に陥る。それでは子どもの自立心が育たず、指示されたことしかやらない。自分でプレーの判断ができず、よい選手にはなれない。日常生活でも、スポーツで養うべき判断力や精神力を生かせないだろう。私は、体罰を受けなかった高校時代に一番成長した。伝わるかどうか分からない暴力より、指導者が教養を積んで伝えた方が確実です”」

●体罰は「逸脱」してしまう危険性が大きい

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