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引き継ぎせず「有休消化」に入った部下、そして退職へ…上司「どうすればいいの?」

弁護士ドットコムニュース / 2021年3月27日 9時39分

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退職を伝えると同時に、有給休暇の消化をはじめ、引き継ぎをしないまま退社してしまった――。東北地方の男性会社員(50代)は、そんな元部下に今も納得しない思いを抱えている。

男性によると、この部下は退職を申し入れた際、あわせて未消化だった有給休暇を取得することも伝えたという。会社側としては、仕事の引き継ぎは言うまでもなく、当然のことと考えていた。ところが、退職日間近となっても引き継ぎをする様子はない。

そこで会社側が「引き継ぎはいつするのか」と連絡しても、元部下から音沙汰はない。そして、そのまま退社に至ってしまったというのだ。

男性は「これまでこんな社員はいなかったため、人事もお手上げ。しかし、有給休暇の消化は権利でもあるし、無理にでも出社させることはできなかった。どうすればよかったのか」と話している。

有給休暇を取得するのは、会社員として当然の権利だ。2020年からは年間5日の有休取得も義務づけられた。しかし、この有給休暇をめぐっては、退社時にトラブルになることも少なくない。

今回のようなケースで、会社側はどのように対応すべきだったのか。山田長正弁護士に聞いた。

●「引き継ぎ」を理由に有給休暇の申請拒否はできない

——退職する際の引き継ぎは、組織運営上、かなり重要なものだと思います。従業員に引き継ぎをする義務はないのでしょうか。

退職するにあたっての引き継ぎは、「信義則上の義務」とされているため、従業員は、退職するにあたり、それぞれの事務処理を誠実におこなって、引き継ぎをする必要があるといえます。よって、従業員の責任でおこなうべきものです。   なお、会社としても、退職予定の従業員に「引き継ぎすべし」という業務命令を出して、引き継ぎをおこなわなければならないことを明確にしておくことが肝要です。

——引き継ぎは、従業員の責務とのことですが、それを理由に有給休暇の申請に「待った」をかけることは可能なのでしょうか。

有給休暇は、従業員より請求があれば、すべて取得させなければならないのが原則ですので、法的に有給休暇の申請を拒否することはできません。

ただし、会社側から、有給休暇の申請を取り下げるよう依頼(強制ではありません)することは可能です。これに従業員が応じてくれれば、結果として「待った」をかけられたといえます。ただし、従業員がこの依頼に応じなければ、「待った」をかけることは難しいです。

●「引き継ぎせず退職」を何としても避けるための予防策

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