浦和レッズ「差別的横断幕」問題 「試合中に撤去できなかった」主催者の責任は?

弁護士ドットコムニュース / 2014年3月12日 10時25分

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「JAPANESE ONLY」――「日本人以外お断り」といった差別的な意味と受け取れる横断幕がサッカーのスタジアムに掲げられ、物議を醸している。3月8日に埼玉スタジアムで行われた浦和レッズ対サガン鳥栖の試合で、サポーターが張ったとされる横断幕の写真がネットで広がり、波紋を投げかけている。

問題の横断幕が掲げられたのは、レッズ側のサポーター席へ入るゲート前。掲げた人物や具体的な目的は公になっていないが、来場者が出入りするゲート入口に日本国旗と並べてあったことから、ネット等では外国人排斥の意味合いで捉える向きが強い。

浦和レッズの発表によると、横断幕について報告があったのは、試合開始から1時間たった17時ごろ。事態を確認して、スタッフに「速やかに撤去」するよう指示したが、試合中だったため、掲示した人物に接触できず、約1時間後になって強制的に撤去したという。

このような対応については、「サポーターから抗議があったのに試合終了まで放置した」と批判する声も出ている。では、今回の事件で、試合の主催者である「浦和レッズ」に法的責任はあるのだろうか。たとえば、外国人のサポーターが「横断幕のせいで精神的に傷つけられた」として慰謝料を請求したら、認められる可能性はあるのだろうか。齋藤裕弁護士に聞いた。

●外国人の観戦を排除したわけではない

「精神的に傷つけられたことを理由とする損害賠償は、特定の個人が攻撃ないし排斥されたような場合には、認められる可能性があるといえます」

このように齋藤弁護士は、精神的な損害賠償の一般的な原則について、説明する。

「この点、外国人の宝石店への入店を拒否したことについて、損害賠償責任を認めた裁判例(静岡地裁浜松支部1999年10月12日判決)や、外国人の温泉の利用を拒否したことについて、損害賠償責任を認めた裁判例(札幌地裁2002年11月11日判決)があります。これらは、店や施設の従業員が実際に『特定の外国人』の利用等を拒否した場合についてのものです。

しかし、今回の浦和スタジアムのケースは、事情が異なっています。

スタジアム内の誰かが『日本人以外お断り』という内容の横断幕を掲げただけだと、それが特定の個人を攻撃しているものかどうか不明ですし、外国人の観戦を実際に排除したわけではありません。したがって、基本的には、主催者側の損害賠償の問題にはならないと思われます」

齋藤弁護士はこのように述べる。こうした横断幕に問題があるのはもちろんだが、現時点で判明している事情だけで、主催者側に法的な責任があるというのは、難しいのかもしれない。

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