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TVプロデューサーが明かす「恋愛リアリティー番組」の裏側 出演者が追い込まれる背景とは

弁護士ドットコムニュース / 2021年4月11日 9時28分

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リアリティー番組「テラスハウス」(フジテレビ系)に出演していたプロレスラーの木村花さんが亡くなったのは昨年5月のことでした。残念ながら、その後もネットでの誹謗中傷は減ることがありません。

木村さんの遺族の申し立てを受けて審議していた放送倫理・番組向上機構(BPO)は今年3月、番組について「放送倫理上の問題があった」と認定した一方で、「人権侵害があったとまでは断定できない」との判断を示しました。

この指摘を制作サイドはどのようにみているのでしょうか。リアリティー番組など多数のTV番組に関わってきたTVプロデューサー津田環さんは、リアリティー番組特有の出演者の負担感やケアの重要性を指摘します。津田さんの寄稿をお届けします。

●「過剰な演出=やらせ」ではない

先日、公表された放送倫理・番組向上機構(BPO)の報告書では、出演者への精神的なケアが足りなかったことを指摘したものの、過剰な演出による人権侵害については認めませんでした。

私自身がリアリティー番組を制作してきたこともあり、木村さんが亡くなったことに非常に大きなショックを受けました。今後、制作側はどのような配慮をしていくべきなのか考えていきたいと思います。

まず恋愛リアリティショーの裏側について、ご説明します。

リアリティショーの作り方は、他のバラエティ番組や、ドラマとは大きく異なります。テラスハウスでも「台本のない」と冒頭に銘打っていますが、実際に、何が起こるかわからないというスリル感、想定外のハプニングやトラブル、それによって本当に出演者の心や感情が動く瞬間こそが「ウリ」であり、「おもしろさ」であり、存在意義です。

どんな名優でも、「演技」と「素顔」の差は、視聴者にはわかってしまいます。ですので、詳細な台本や、いわゆる「やらせ」演出があると、どんどんリアリティショーとしての番組の質は落ちていきます。ある程度、本人の意思に委ねないと成立しません。

しかし、出演者はその分、自分の頭で考え、予想し、空気を読んで、どういうリアクションや喜怒哀楽を出したら、視聴者は喜ぶだろう? 共感してくれるだろう? と、常に緊張感やプレッシャーのかかる状態におかれます。

むしろ「やらせ」が指示されたのなら、そのほうが楽かもしれません。また、他の出演者と比べて、自分はうまく振る舞えているのか? あの子より人気があるだろうか? という不安や期待も、常につきまといます。真面目に取り組むほど、追い込まれる傾向があります。

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