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「駅のベビーカーを当たり前にしたのは、障害者の声」車イスの弁護士が語る「移動の差別」

弁護士ドットコムニュース / 2021年4月18日 9時25分

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無人駅の利用に関して、コラムニストの伊是名夏子さんがブログでの「乗車拒否」を訴えかけた。

内閣府の「障害者制度改革担当室」室長を務め、障害者差別解消法などの法整備に尽力し、現在、熊本に住む弁護士の東俊裕さんは、「伊是名さんは、頑張った」と賛同する。

「電動車いすの利用者は、自分で運転することはもちろん、一般のタクシーの利用も困難であるので、移動は一般の人以上に電車などの公共交通機関に頼らざるを得ない。にもかかわらず、無人化の影響で、車いすの障害者だけがその駅を利用できなくなるのは、不平等ではないのか」と痛烈に問いかけた。(編集部・塚田賢慎)

●乗車交渉は心が折れそうになる

足が不自由な東さんは現在車いすを利用している。移動における差別を受けたこともある。

「障害を理由に、駅の利用を断られると心が折れてしまいます。このショックは、言われた者じゃないとわかりません。それでも粘り強く交渉を続けて声をあげてくれた伊是名さんに勇気付けられた人は多いと思います」

伊是名さんは、JR小田原駅の駅員との交渉において、障害者差別解消法にもとづき、合理的配慮の提供をもとめた。しかし、十分な検討・調整がなされることなく、一時的には「来宮駅への案内はできない」として乗車拒否されたと主張する。

●差別解消法の施行と合理的配慮

2016年4月1日に施行された差別解消法では、障害者への「不当な差別的取り扱い」だけではなく、「合理的配慮」を提供しないことが差別として禁止された。

その2週間後に発生した熊本地震に際して被災した障害者支援に当たった東さんによると、差別解消法で禁止されるような事例が現場で見られたという。

例えば避難所では、段差があったり、車いすで利用できるトイレがなかったり、仮設住宅の室内では、お風呂に段差があったり、トイレのドアの幅が狭く、車いすでは利用できないなど状況があって、車椅子の被災者が利用を断わられたり、あきらめたりする現場を見てきたという。

「結局、限られた福祉避難所に行った人もいますが、特に災害直後は壊れかけた家に取り残されたり、車中泊などを強いられた障害者が多かったように思います。バリアの解消のために我々が取り組み、一部ではバリアフリーの仮設住宅もできたが、ほとんどの仮設住宅の風呂やトイレは使いづらい状態のままでした」

被災者に障害者がいることを想定しない災害支援の仕組みが、差別をもたらす根源だと指摘する。

●障害者の存在を想定しない社会の仕組みと社会的障壁

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