1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「SNSで犯人情報を集めたい」60万円の詐欺にあった女性、顔写真を公開へ…法的問題は?

弁護士ドットコムニュース / 2021年9月3日 10時14分

写真

関連画像

詐欺被害にあったという女性が「犯人の写真を拡散して情報を集めたい」と弁護士ドットコムに相談しています。

女性は名前も住所も分からない相手から、60万円ほどの詐欺被害にあいました。相手の写真や音声データは持っているため、「SNSアカウントで私が所持している犯人の写真等を公開し、拡散して犯人の情報を集めたい」と考えています。

詐欺被害についてはすでに警察にも相談、捜査してもらっており、女性はSNSでの情報提供を呼びかける際には「担当警察署に直接連絡してもらうように投稿する」予定です。

女性は「絶対に捕まって欲しい」とSNSでの情報提供に期待していますが、ネット上に犯人の写真と音声をアップする行為は法的に問題ないのでしょうか。田中伸顕弁護士に聞きました。

●基本的に許されない

——SNSでの情報募集、法的に問題になりますか?

一時期、書店などの店舗で、万引をした疑いのある人物の防犯カメラ画像を公開したといった事例が話題になったことがあります。今回の相談も、この防犯カメラ画像の公開と同様の問題があります。

現在の法律では、自分の権利を自力で実現することはできず、法的な手続によらなければならないとされています。この原則を自力救済の禁止といいます。

今回のご相談も、相手の写真や音声をインターネット上に公開することは、この自力救済の禁止の原則に抵触するおそれがあります。

●名誉毀損罪や脅迫罪などの犯罪になるおそれがある

——具体的にはどのようなリスクがあるのでしょうか。

まず、相手の写真や音声を、モザイクや加工をせずにインターネット上に公開すると、刑事上、名誉毀損罪や脅迫罪に問われる可能性があります。

さらに、民事上でも、名誉毀損やプライバシー侵害、肖像権侵害などを理由に、損害賠償請求などをされるおそれがあります。

このように、無断で加工もせずに、相手方の写真等をインターネット上に公開すれば、刑事と民事の両面で、責任を追求される可能性があるのです。

●リスクを承知で公開したら?

——相談者はこうしたリスクを承知の上で、相手の写真等を公開しようとしているかもしれません。

相談者の方は、実際に公開し、相手が法的な措置をしてきたら、それをきっかけに相手の情報を得て、今度は自分の方から相手に対して法的な措置をすることを期待しているのかもしれません。

ですが、残念ながら、そのような期待どおりにはならないと予想されます。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング