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採用時に前職の勤務状況を調べる「前歴照会」は許されるのか?

弁護士ドットコムニュース / 2021年9月28日 10時37分

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1年半前、中堅出版社の編集者(30代、女性)が打ち合わせの際に言い始めた。

「今の上司は、前職で私が周囲との人間関係にあつれきがあったことを知っていた。ある日、上司と1対1で人事評価の面談をしたときに、『君は前職でも同じトラブルがあっただろう?』と話す。その内容は前職の数人しか知らないはず。私の過去を調べた気がする」

女性の見立てが事実と言えるのかどうかはわからない。だが、会社が特に中途の採用試験において正社員を雇う際に、何らかの形で受験者の過去を調べるいわゆる「前歴照会」は時折耳にする。

今回は、かねてから様々な噂が飛び交う「前歴照会」の裏側にアプローチをしてみたい。(ライター・吉田典史)

●ある大手企業の2000年前後の採用でおこなわれていた実態

まず、雇う側の考えを知りたい。大手教育教材制作販売会社の元役員(72歳)に聞いた。

「中途採用の場合は、入社後に双方(会社と本人)にとって不幸なことになる可能性は新卒よりは高い。過去に勤務経験があるのだから、そこを調べずして採用すること自体に無理がある。

2000年前後、最終面接の前に人事部の部長と私(当時は本部長)の2人で受験者数人を調べた。その時点で面接(3次面接)に残っていたのは10人前後。配属予定部署の本部長である私が特に採用したい人を4人選び、人事部長に伝えた。

それを受けて部長が4人の前職の人事部に電話をして事情を話し、面談を求めた。断ったのが1社で、承諾した会社が3社。数日以内に私と部長で3社に伺い、1時間ほどの時間をもらった。

聞いたのは、本当に在籍していたか否か、入社と退職の年月日。退職の理由、在籍時の仕事の様子、人間関係、素行、勤務態度。これらの点で3人の受験者は問題がなかった。うち2人を『採用を強く希望』と人事部に伝えた。最終面接後に、2人が内定となった」

●「個人情報保護法」が前歴照会の歯止めになった

大手通信会社で人事課長を経験し、現在、グループ会社の役員の男性(58歳)も人事部に在籍中、前歴照会をしたことを認める。

「人事課長の指示があり、中途採用で内定を出す可能性が高い受験者の過去を調べていた。調べるのは、最終面接の前。社長や役員が並ぶその面接の前に、問題がある人材か否かを調査する。

方法はいくつかあり、1つは以前に勤務した会社へ伺い、直接会う。2つめは電話で先方の会社の人事部へ連絡し、話を聞く。3つめは信用調査機関のルートを使う。これらの使い分けは、ケース・バイ・ケース」

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