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女性、障害者…日本企業は「数合わせのダイバーシティ経営」から脱却できるのか

弁護士ドットコムニュース / 2021年10月9日 9時17分

また日本企業ではいまだに、時短勤務中の社員を高く評価すると「自分の方が頑張って残業しているのに」などと、不満を抱く社員が出てきます。D&Iを人事制度に反映する際は「時間ではなく、成果で人材を評価するのが最もフェアだ」という企業カルチャーを浸透させておくことも求められます。

――多様な人材を戦力化することに、どのようなメリットがありますか。

例えばGoogleは、パーパスに賛同する「尖った人材」同士がコラボレートすることで、創造的な仕事を生み、企業として成長してきました。企業にとっては、むしろ多様な人材を戦力化できない場合のリスクの方が大きいと言えます。組織の柔軟性が失われ、デジタルトランスフォーメーション(DX)やAIの進展といった時代の変化にも追いつけずに、先細りしてしまうでしょう。

多様な知識と情報を持つ人が集まり、アイデアを出し合うことは、イノベーションの創出にもつながります。ただこの場合の「イノベーション」は、非連続的なイノベーションだけではなく、従来のシステムを一歩先へと進化させる「持続的なイノベ―ション」も指しています。そして、システムを一変させるような、非連続的・破壊的なイノベーションも、おおもとは個のユニークな発想に基づくところが大きいでしょう。

●保守的で、強い不安を抱く「ミドル層」が変革のカギに

――多様な人材が活躍できる職場づくりの、カギを握るのは職場のどの層でしょうか。

40~50代のミドル層です。彼らは管理職として、多様な部下を活用する立場にいますが、失敗すれば責任を問われもします。さらに背後は若手の追撃に、前方は早期退職などのリスクに脅かされ、強い不安を抱えています。このため非常に保守的で、リスクを取りたくない人が多いのです。

一方でミドルは、職場の長所も短所も熟知し、権限を与えられ現場にも近い。ミドルがリスクを取れるようになることが、企業が変化するために非常に重要です。

――ミドルを変えるためには、どうすればいいでしょうか。

企業内でキャリア転換を促すなど、挑戦せざるを得ない「崖っぷち」に立たせるのが有効です。サントリーホールディングスの新浪剛史社長が提言した「45歳定年制」は、「定年」という言葉が物議を醸してしまいましたが、40代で一度キャリアを見直すべきだ、という意味では同種のメッセージと言えるでしょう。

ただ、この年代には健康問題や家庭などの状況で、挑戦するのが難しい人もいます。こうした人にはそれなりの場面を用意するなど、個別にきめ細かく対応する必要もあります。

最もいけないのは、挑戦する能力もスキルも、問題意識もある人が「何もしない」こと。こうした人材のやる気を掻き立て、挑戦を促すだけで、企業のD&Iや変革は、かなり進むはずです。

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