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所持金1100円の男性、ジンギスカン店で3200円分飲食して逮捕…「支払う気はあった」でもダメ?

弁護士ドットコムニュース / 2021年11月29日 10時8分

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食べ終わったあとに初めてお金が足りないことに気づいたのか、それとも最初から無銭飲食するつもりだったのか——。北海道小樽市の飲食店を利用した男性(47)が、料金を支払えないことを知りながら飲食したとして、北海道警に詐欺の疑いで逮捕された。

北海道放送(11月22日)によると、この男性は11月21日、小樽市内のジンギスカン店に1人で入店し、2時間ほど飲食。料金は3200円だったにもかかわらず、所持金が1100円しかなかったため、店員が警察に通報し、駆けつけた警察官にその場で逮捕されたという。

男性は、警察の取り調べに対し、「支払うときにお金はなかったけど、払う気はあった」などと話し、容疑を否認しているようだ。

今回のケースに限らず、所持金が足りないことを知っていたのであれば、どれだけ「払う気があった」と主張しても通用しないだろう。しかし、食べた後に財布がないことに気づいて、支払いたくても支払えないというケースもないとは言えない。そのような場合でも詐欺になってしまうのだろうか。 清水俊弁護士に聞いた。

●詐欺にならない場合もある

——結果として無銭飲食になると、どのような場合でも詐欺になってしまうのでしょうか。

詐欺罪とは、欺罔(ぎもう)行為によって、相手方を錯誤に陥らせて財物を交付させることをいいます(刑法246条1項)。財物以外の財産上の利益(債権など)を得た場合は、いわゆる「2項詐欺」が成立します(同条2項)。主観的には欺罔行為の時点で故意が必要となります。

無銭飲食を例に取ると、会計の段階で初めて財布がないことに気づいた場合、それだけでは詐欺罪にはなりません。

なぜなら、注文した時点で詐欺の故意、つまり支払いを不法に免れる意思がなければならないところ、注文した時点では財布があると真に思っていたのであればその故意に欠けるからです。

——会計の段階で初めて財布がないことに気づき、「家にお金を取りに行ってくる」などと嘘をついて支払いを免れ、そのまま逃走した場合はどうでしょうか。

そのような場合は2項詐欺が成立します。「家にお金を取りに行ってくる」という嘘で相手を錯誤に陥らせて、飲食代金(債権)という財産上の利益を得ているからです。

なお、嘘をついた時点で詐欺罪の実行の着手があったといえるので、たとえ相手が嘘だと見抜いて錯誤に陥らなかったとしても、詐欺未遂罪が成立します。

詐欺罪の立件が難しいと言われる所以は、当初から詐欺の故意があることを立証するのが難しいからです。

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