消息不明の「マレーシア航空機」 もし墜落なら遺族への「賠償金」はどう決まるのか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年4月10日 12時14分

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南シナ海の上空で消息を絶ったマレーシア航空370便は、インド洋に墜落したという見方が強まっている。

報道によると、マレーシア航空の最高経営責任者のアフマド・ジャウハリ氏は3月下旬、「航空機はインド洋に墜落した」「生存者はいない」という認識を示した。一方で捜索は難航しており、いまのところ「これは」という情報はないようだ。

マレーシア航空370便には、乗客227人(乗員12人)が搭乗していたとされる。今後、マレーシア航空は、乗客の遺族に対して、賠償金を支払うことになりそうだ。こうした場合、賠償額はどのように決まるものなのだろうか。航空法にくわしい金子博人弁護士に聞いた。

●条約上の賠償限度額は「無制限」

「国際線の事故の場合、『モントリオール条約』(2003年発効)の適用があるかないかで、結論が大きく変わります。

出発国と到着国が条約を結んでいる国であれば、旅客や航空会社の国籍と関係なく、このモントリオール条約が適用されます。

今回は、出発国のマレーシアと到着国の中国がともに締約国なので、モントリオール条約が適用されるケースです」

では、どうなるのだろうか?

「同条約では、死亡・傷害の賠償限度額は『無制限』となっています。

生じた損害のうち、一人当たり約1800万円(4月3日時点の換算レート)までは無過失責任となっており、航空会社は過失等がなくても、賠償責任を免れることができません。

一方で、この額を超える賠償については、航空会社が事故について自らの過失等がなかったと証明できれば、賠償責任を負わない、というルールになっています」

すると、約1800万円を超える争いになった場合、航空会社がその証明に成功するかどうかがカギと言えそうだ。

●どこの国の法律が適用される?

航空会社が提示した損害賠償額に不満があり、裁判ということになれば、他にどんな点がポイントとなるのだろうか?

「最大のポイントは、旅客がどこの国で訴訟を起こすかです。これによってどこの国の法律が適用されるかが決まり、損害賠償の額にも大きな影響があります」

選択肢は、どんなものがあるのだろうか?

「モントリオール条約で定められているのは、次の4つです。(1)航空会社の住所地(2)主たる営業所の所在地(3)契約を締結した営業所の所在地(4)到着地。このいずれかのうちで、かつ、条約国の領域にある裁判所に、訴訟を提起することになります。

また、旅客の死亡・傷害によって生じた損害賠償についての裁判なら、旅客の『主要かつ恒常的居住地』でも可能です。

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