「速やかな再審開始を」袴田事件・西嶋勝彦弁護団長が語る再審への「長い道のり」

弁護士ドットコムニュース / 2014年4月12日 15時3分

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1966年に起きた「袴田事件」で死刑判決を受けた袴田巌さん(78)が今年3月に釈放されたニュースは、大きく全国を駆け巡った。だが、袴田さんはまだ正式に「再審無罪」とされたわけではない。

静岡地裁が3月に出したのは「袴田事件」の再審を始めるという決定にすぎない。しかも、それに対して検察側が即時抗告をしたため、実際には、まだ再審が始まるかどうかも決まっていない状況なのだ。

1980年の死刑判決確定を受けて、81年から2008年に棄却されるまで争われた第1次再審請求。さらに08年からいまも続いている第2次再審請求。2つを合わせると再審請求が争われている期間だけでも、すでに30年以上となっている。

そんななか、袴田さんの弁護団長を務める西嶋勝彦弁護士らは4月9日、東京都内で記者会見をおこない、検察の即時抗告を「全く不当」として、速やかに再審を開始するように訴えた。

●日本の「再審」は2つの手続きに分かれている

そもそも日本の再審制度はどうなっているのか――。西嶋弁護士は会見で、その話から切り出した。

「日本の再審制度は第1段階の『再審請求』と、それを受けた第2段階の『再審公判』という、2つの手続きに分かれています」

つまり、裁判をやり直してもらうためには、まず、裁判所に「再審請求」をおこない、それを認めてもらう必要があるのだ。西嶋弁護士はこの点について、「日本の再審制度では、有罪を言い渡した裁判所と同じ裁判所に対して、再審請求の申立てをするという手続きになっていて、これが再審へのひとつの障害となっています」と指摘する。

それでは、再審の条件の一つとされる「新証拠」とは、どのようなものなのだろうか。

「再審請求のためには、無罪となることが明白な新証拠を提出しなさいと要求されます。この制約は『白鳥決定』と呼ばれる最高裁の決定によって、いくらかハードルが下げられましたが、それでもなかなか高い壁です」

また、今回は検察が「しぶしぶながら」(西嶋弁護士)証拠を一部開示したが、日本では検察側が手元に持っている証拠について、弁護側に開示請求する権利がないことが、再審を阻む大きな壁となっているという。

●再審開始決定の理由は「DNA」だけではない

このように再審決定基準を説明したうえで、西嶋弁護士は、静岡地裁の判断について次のように述べた。

「開始決定は、袴田さんのDNAが『5点の衣類』から検出できなかったことが、大きなポイントです」

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