「通話記録」を秘かに収集していた「米国政府」 国家による監視社会をまねくのか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年4月24日 14時14分

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携帯電話で家族や友だち、恋人と話している記録が、実は、政府によって秘かに集められていたとしたら、あなたはどう思うだろうか。こうした活動が、実際にアメリカ政府によっておこなわれていたことがわかり、全世界に衝撃が走っている。

報道によると、個人の通話記録を収集していたのは、国家安全保障局(NSA)と呼ばれる米国防総省の諜報機関だ。昨年、元職員のエドワード・スノーデン氏が機密情報を暴露したことがきっかけとなって、NSAが個人の電話番号や通話日時などを大量に収集・保管していた実態が明るみになった。

国内外から「プライバシーの侵害だ」と激しい批判を浴びたオバマ大統領は今年3月、NSAによる一般市民の通話記録の収集や保管をやめるように方針を変更した。今後は、裁判所(外国情報監視裁判所)が認めた場合に限って、NSAが電話会社に対して、特定の番号に関するデータの提供を求めるようにするという。

今回のように、政府機関による個人の通話記録の収集が日本でもおこなわれたとしたら、具体的にどんな法的問題が生じるのだろうか。猪野亨弁護士に聞いた。

●監視社会を招く点が「最大の問題」

「このような形で、国家権力が情報を収集することは、国民のプライバシー権(憲法13条)を侵害する行為で、憲法違反だと言えます」

このように猪野弁護士は指摘する。日本で起きた場合も、プライバシー侵害が問題となるという。

「ただ、国家が探索したい情報は、純粋な個人的な情報そのものではありません。

いつ誰と通話したかという情報を知られることは、個人にとって大きな問題となりえますが、問題はそこにとどまりません。国家による監視社会を招くという、より重大な側面を見逃すわけにはいきません」

単に国民のプライバシーを侵害したいわけではなく、国民全体を監視したいということだが、国家は具体的には何を知りたいのだろうか。

「国家がほしがる情報は、国家に反対する人たちの動向です。それも決して過激派の行動を把握したいという次元のものではなく、むしろ平和的に活動をしている人たちの動向をつかみ、監視体制を作り上げることです」

●国家の方針に異を唱えることが難しくなる恐れ

本当に、一般人も含めて、国家に反対する人たちを監視しようとしているのだろうか?

「たとえば国内でも、1998年に中国江沢民主席が早稲田大学を訪問した際、出席名簿を大学当局が公安警察に引き渡していたという事件がおこりました。また、2003年から翌年にかけて、自衛隊情報保全隊が、イラク派兵反対を訴える集会の参加者情報を収集していたという事件がありました」

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