AKB総選挙「使用済み投票券」を95万円で買わされた! 「詐欺罪」になるのか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年6月4日 16時37分

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新曲を歌うメンバーを決定する「AKB48選抜総選挙」。6月7日の開票に向け、イチ推しのメンバーを上位にランクインさせようと、ファンは必死になって投票活動を展開している。そんななか、1000枚95万円の「投票券」をネットオークションで落札した人が、「投票できなかった」と怒りの声を上げて、話題になっている。

AKB48総選挙の投票は、CDに同封されている投票券に記載されている番号を専用サイトに入力しておこなう。CDの購入枚数に応じて、一人で何回も投票できる仕組みなので、ファンのなかには大金を投じて、たくさんの投票券を集めようとする人もいる。ところが今回、あるファンが落札した投票券はすでに使われたあとで、投票が不可能だったという。

一方、出品者は「中古品を落札しておいて返品するから返金対応しろというのは無茶苦茶だ」と反論している。たしかに、商品情報ページには「中古」と書き込まれていたが、「投票済み」との記載はなかった。このような投票できない「使用済み」の投票券を販売する行為は、法的に問題ないのだろうか。足立敬太弁護士に聞いた。

●「詐欺」にあたる可能性がある

「本件については、詐欺罪が成立する余地が十分あります」

このように足立弁護士は指摘する。なぜそう言えるのだろうか?

「出品者は今回、『中古と明記しているから使用済と分かるはず』と強弁しているようです。

しかし、(1)出品者の設定したオークション開始価格は、1000枚で95万円という高額です。つまり、出品者自身が『それなりに価値がある』ということを開始価格で示しているわけです。

さらに、(2)出品時期も選抜総選挙の投票期間中です。

この時期に、高額の投票券がオークションに出品されれば、閲覧者は『使用可能な投票券だ』と思うのが通常であり、まさに思い込みを利用していると言えます」

使用済みの投票券は単なる紙切れだ。そこまでの価値を見いだす人はいない。

「また、(3)即決でオークションを終了させており、入札者に質問する機会を与えず決済を迫っています。誤信に気づく時間的余裕を与えておらず、誤信に乗じていると言えます。

そして、(4)もし取引にあたり出品者が偽名を使った・身元を隠したなどの事情があれば、出品者が詐欺の余地を認識していた、つまり故意があった事情と評価されやすくなるでしょう」

●「お金を返せ」とも言える

今回、相手に対して金を返せと要求することもできるのだろうか。

足立弁護士は「民事的にも返金請求可能です。無効の投票券を95万円で買う人はいませんから、詐欺取消(民法96条1項)あるいは錯誤無効(95条)を主張して、代金全額の返金を求めることが可能となります」と話していた。

ファンが投票の記念に取っておくことはあったとしても、それ以上の意味を持たない「紙切れ」を高額で売りつけようとするのは、さすがにやり過ぎだということだろう。

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
足立 敬太(あだち・けいた)弁護士
北海道・富良野在住。投資被害・消費者事件や農家・農作物関係の事件を中心に刑事弁護分野も取り扱う。分かりやすく丁寧な説明だと高評価多数。
事務所名:富良野・凛と法律事務所
事務所URL:http://www.furano-rinto.com/

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