「乾杯は牛乳で」「子どもをほめよう」 ユニークな条例はどこまで認められているの?

弁護士ドットコムニュース / 2014年6月11日 18時3分

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「宴会の乾杯は、できるだけ牛乳で」「いい子をほめよう」「雪と仲良く暮らそう」など、一風変わった条例が全国の自治体で相次いでつくられている。

北海道・中標津(なかしべつ)町では今年4月から、宴会のときは牛乳で乾杯しようと呼びかける「牛乳消費拡大応援条例」が施行された。牛乳を飲む習慣をつけ、町の基幹産業である酪農業を盛り上げるのがねらい。すでに多くの自治体に地元の日本酒やワインによる乾杯条例があるが、牛乳での乾杯は全国初だという。

鹿児島県・志布志(しぶし)市の「子ほめ条例」は、ボランティア活動に参加したり、親孝行やあいさつをきちんとしたりする子どもを積極的に表彰し、成長をサポートしようというもの。秋田県横手市の「雪となかよく暮らす条例」は、市民に雪国の生活マナーを守って協力し合うことなどを求めている。いずれも、ほのぼのするネーミングに思わず顔がほころんでしまいそうだ。

それぞれの条例には、なんとか地域振興を図ろうとする地元の奮闘がにじみ出ている。一方で、こうしたユニークな内容の条例制定は、どこまで自由に認められるものなのだろうか。一藤剛志弁護士に聞いた。

●「法令に違反するかどうか」がポイント

「地方自治体が条例を制定する権利は、憲法94条に定められています。条文は、<地方公共団体は…(中略)…『法律の範囲内で』条例を制定することができる>となっています」

このように一藤弁護士は説明する。

「憲法94条を受けて、地方自治法14条1項は、<普通地方公共団体は、『法令に違反しない限りにおいて』…(中略)…条例を制定することができる>としています。

つまり、ポイントは、『法令に違反するかどうか』です。なお、ここでいう『法令』は、国が定める法律や規則を指します」

どんな場合に「法令違反」になるのか。基準のようなものはあるのだろうか?

「法令に違反するかどうかの判断については、最高裁判所の判例(昭和50年9月10日判決 徳島市公安条例事件)があります。

この判例では、条例と法令のそれぞれの趣旨、目的、内容および効果を比較し、両者の間に矛盾・抵触があるかどうかにより判断すべきとされています」

●「あえて法規制されていない」ケースもある

そうなると、法令では特に規定がないことがらについては、どんな条例を定めても問題ないということだろうか。

「さきほどの判例は、ある事項について法令に規定がない場合でも、法令が『あえて規制をせずに放置する趣旨』であるときは、条例で規制を設けることは法令に違反すると述べています。

つまり、『法令があえて規制をしていない事柄かどうか』も、重要な判断要素になるのです」

法令があえて踏み込んでいない部分について条例をつくると、問題とされる場合もあるわけだ。今回、例に挙がっているような条例はどうだろうか?

一藤弁護士は「今回、話題にのぼったユニーク条例が定めていることは、法令があえて規制をしていない趣旨とは思われないため、法令に違反するものとはいえないでしょう」と指摘したうえで、「地域の特徴を活かしたユニークな条例は、もっと制定されていいように思います」と話していた。

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
一藤 剛志(いちふじ・つよし)弁護士
第二東京弁護士会多摩支部 副支部長、公益社団法人立川法人会 監事
事務所名:弁護士法人TNLAW支所立川ニアレスト法律事務所
事務所URL:http://www.tn-law.jp/tachikawa/

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