「理研が生き残れるかはトップしだい」 理研改革委の「提言書」を読む(下)

弁護士ドットコムニュース / 2014年6月13日 15時33分

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STAP論文に研究不正が認定された問題を受け、理化学研究所(理研)の改革委員会が6月12日に出した「提言書」を、弁護士はどう分析するのか――。冨宅恵弁護士は理研の「今後」について、次のように語った。

●「外部の意見」を取り入れる

「将来に向けた対応」については、理事長直轄の『研究公正推進本部」を設置し、この機関が中心となって研究不正を防止するルール作りを行うことと、研究倫理教育を徹底することが提言されています。これまで、研究者の自己統制に委ねられていた部分を、理事長が率先して行うという姿勢が示されています。

理研という組織の運営面では、理事の選任に外部の意見を取り入れ、外部者を理事に加えるなど、理事自体によるガバナンス機能の強化を図るよう提言されています。また、監事の権限強化など、「監査機能」の向上も盛り込まれています。

さらに、「外部有識者のみで構成される監視委員会」が、将来に向けた理研の取組みをモニタリング・評価する制度を設け、この組織が、再現実験の監視、論文の検証も行うことが提言されています。これは、外部者のみで構成される監視機関を設けて、理研の取り組みをチェックするということです。

これらの持つ意味は、外部の意見を組織内に取り込むことで、「理研が組織防衛だけを主眼とした選択を取らないようにする」ということです。これは、これまで制度改革が行われてきた「株式会社」のガバナンス機能強化に通ずるところがあります。

●監事のガバナンスは「理研に白紙委任」状態

この点について気になるのは、「監事」によるガバナンスについて、全くと言ってよいほど具体的な内容が書かれていないことです。

監事によるガバナンス体制をどうするかは、白紙委任と同然、つまり「理研におまかせ」状態です。ですから、監事の機能や権限強化に関して、理研がどう制度設計をするかについて、我々も注視していく必要があります。ここは、監視委員会の役割に期待する部分でもあります。

●どうやって「研究者の自由」を確保するのか

これまで見てきたとおり、今回の提言内容は全体として、外部の人が積極的にガバナンスに関与する、という内容です。研究機関のガバナンスとしては先進的な内容になっていると評価できます。

しかし、その一方で、運用の仕方によっては、理研の研究機能が減退してしまう危険がある。つまり、理研の存在理由そのものが損なわれかねないと考えています。

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