W杯「ゴールシーン」動画をSNSに投稿――違法と合法の「境目」はどこにある?

弁護士ドットコムニュース / 2014年6月25日 19時26分

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サッカーワールドカップのブラジル大会。日本代表は6月25日早朝(日本時間)に行なわれたコロンビアとの試合に完敗し、決勝トーナメント進出を逃した。しかし、そのゲームの前半終了直前、岡崎慎司選手がダイビングヘッドで「同点ゴール」を決めたシーンには、多くのサポーターが胸を熱くしたことだろう。

その感動を共有したい――。そんな思いを抱いた人たちが、テレビの中継画面を「Vine」などのスマホアプリで撮影し、ツイッターやフェイスブックといったSNSに投稿。感動的な得点シーンの映像が、ネット上でもあっという間に拡散した。

今回のワールドカップは、このような形でネットに投稿された動画が数多く見つかる。ただ、冷静に考えてみると、視聴者が勝手に撮影・録画したテレビ中継の内容を、ネットに投稿するのは問題なのだろうか。「ゴールシーン」の動画を何気なくSNSに投稿したことによって、処罰されたり、訴えられたりする可能性もあるのだろうか。著作権にくわしい雪丸真吾弁護士に聞いた。

●スポーツの中継動画も「著作物」になる

「そうした動画をネットへ投稿することは、基本的には『違法』となってしまうでしょう」

どうして違法なのだろうか?

「ワールドカップの中継は、カメラのズームイン・アウト、スイッチング、効果音や文字の挿入、リプレーの挿入等、いろいろな創作的な行為が行われています。したがって、中継動画は、制作者の『著作物』と評価すべきだと思います。

したがって、もし著作権者の許諾なくネットに投稿すると、著作権のひとつである『公衆送信権』(著作権法23条1項)を侵害することになります」

映像を作った人の「著作権」を侵害してしまう・・・。

「また、テレビ局の『送信可能化権』(著作物をネットで公開する権利)の侵害にもなりますね。

著作物を放送し大衆に伝えるという役割を担うため、テレビ局には、『著作隣接権(放送事業者の権利)』という特別な権利が与えられています。送信可能化権(同99条の2・1項)もその一つです。

したがって、許諾なく行われるネットへの投稿は、これら2つの権利侵害になりますから、『著作(隣接)権侵害の違法行為』という評価になるのです」

そうなると、もし権利者に問題視されれば、刑事告訴されたり、民事訴訟で損害賠償請求をされたりする可能性もあるわけだ。

●仲間内での共有も「ダメ」なのか?

ところで、誰もが見られる場所に投稿すれば、「公衆」送信権の侵害というのはわかるが、仲間内でフェイスブックなどのSNSを使って、動画を共有するような場合でもダメなのだろうか?

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