「電子書籍」サービスが終了――購入した「本」が読めなくなっても仕方ないのか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年7月3日 12時31分

業者に法的な責任が発生するかどうかは、「規約にどう書いてあるか」によるところが大きく、もし業者が規約に書かれていることと違う対応をしたなら、責任を問われるというわけだ。

●手元に残ったデータはどうなる?

ところで、電子書籍を買った人に「所有権」がないなら、サービス終了後に手元に保存されているデータは、どういう扱いを受けるのだろうか?

「契約終了後の電子書籍の利用についても、利用規約しだいです。

事業者がサービス終了後の処置について利用規約に規定していれば原則としてそれに従うことになりますし、もし、利用規約にサービス終了後の規定がない場合は、事業者があえて規定しなかったことを考えれば契約終了による不利益は事業者が甘受すべきでしょうから、ユーザーがデータを消去したり、返還したりする義務を負わないと解されるでしょう。

しかし、電子書籍サービスは、定期的にアカウント認証等の手続が必要となるようなものが現実には多く、事実上利用できなくなることのほうが多いと思われますし、事業者から継続利用が保証されているわけでもありません」

高木弁護士はこのように話していた。

「本を買う」という点は一緒でも、電子書籍と紙の書籍では、これほどまでに大きな違いがあるようだ。これからの時代、どんな形で「本」を買うのかは、意外と重大な選択なのかもしれない。

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
高木 篤夫(たかぎ・あつお)弁護士
東京弁護士会消費者問題特別委員会委員、日本弁護士連合会消費者問題対策委員、東京都消費生活総合センターアドバイザー等、各種消費者被害対策弁護団
著書:電子商取引法(共著)、消費者相談マニュアル(共著)、ネット被害の消費者相談(共著)ほか多数
事務所名:ひかり総合法律事務所
事務所URL:http://www.hikari-law.com/J/firm/index.php

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