「24時間以内に死んでくれ」と迫ったら相手が自殺――「殺人罪」になる可能性は?

弁護士ドットコムニュース / 2014年8月6日 18時19分

もし、裁判でそのような認定が成されれば、被害者自身を利用した間接正犯として殺人罪が認定されることもあり得ます」

そのようにして、殺人罪を認めたケースはあるのだろうか?

「被告人を極度に畏怖して服従していた被害者に対し、暴行・脅迫を加えて自殺を執拗に迫り、被害者に他の行為を選択する余地がない精神状態の下で、運転する車を岸壁上から海中に転落させたというケースがあります。

最高裁判所はこのケースで、殺人未遂罪を認定しました(死亡には至らなかったため)」

今回の事件の場合、判断のポイントはどこにあるのだろうか?

「本件が自殺教唆罪にとどまるか、殺人罪まで成立するかは、『被害者の意思が強度に抑圧され、他の行為を選択する余地がない程度にまで達していたかどうか』によるでしょう」

つまり、父親の言葉や暴力によって、息子が自発的に自殺を決意していれば自殺教唆罪。一方で、自殺以外の選択をする余地がないほど追い詰められていたとすれば、殺人罪ということだろう。

父親と息子の間で、具体的にどのようなやりとりがあったのか・・・そこが事件のゆくえをうらなう、重大なポイントとなりそうだ。

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
落合 洋司(おちあい・ようじ)弁護士
1989年、検事に任官、東京地検公安部等に勤務し2000年退官・弁護士登録。IT企業勤務を経て現在に至る。
事務所名:泉岳寺前法律事務所


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング