政府が検討する「女性活躍企業」への優遇措置 「男性差別」ではないのか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年8月17日 11時40分

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成長戦略の中核として「女性が活躍できる環境づくり」に取り組んでいる政府は、その手段のひとつとして、女性の登用に積極的な企業に対して、補助金などの支援を検討している。8月上旬には、男女共同参画推進本部が、女性の活躍推進に取り組む企業などを補助金や公共調達で優遇できるようにする指針を決定した。

一方で、こうした「優遇策」に対しては、ネットでは「男性差別だ」という反対意見も見られる。先進国と比べて、女性の社会進出が遅れているとされる日本だが、こうした優遇策は「男性差別」になるのだろうか。高木由美子弁護士に聞いた。

●憲法14条「性差別禁止」の意味とは?

「憲法14条は、『すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない』と規定しています。

『女性が活躍する企業を優遇する措置』は、『性別』によって取扱いを変えるということですから、憲法14条違反なのではないかとも考えられます。

しかしながら、憲法14条は、ありとあらゆる場面で同じ取扱いをしなければならないという意味には、解釈されていません」

どういう意味だろうか?

「最高裁判所は、憲法14条の趣旨を『事柄の性質に応じた合理的な根拠に基づかない差別』を禁止することだと解釈しています。

つまり、男女で異なる取扱いをすることがあっても、その目的と手段に合理的な根拠があれば、憲法14条違反にはならないということになります」

それでは、国として「女性活躍企業」を優遇する制度はどうだろうか?

「まず、制度の目的ですが、少子化の中で、能力を生かしきれていない女性を有効活用することにより、将来的な労働力不足を解消する等だと考えられます。この目的には、一定の合理性があるといえるでしょう。

制度の「目的」に合理性があるとして、それを実現するための「手段」はどうだろう。

「企業への補助金や公共事業の入札の際に有利になることは、企業にとって女性活用の大きなモチベーションになると考えられます。そのこと自体には、合理性があるといえるでしょう」

●単に女性の数を増やせばいいわけではない

すると、全く問題がないということか?

「そうとも断言できません。問題があるかどうかを判断するためには、補助金などの対象となる女性活躍企業と認定されるための条件など、細かな点を見ていく必要があります。

それは、認定のやり方しだいで、手段が『合理的』でなくなってしまう可能性もあるからです」

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