「B型の人は結構です」 企業が「血液型」で採用を決めるのは不当な差別?

弁護士ドットコムニュース / 2014年8月18日 10時58分

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A型は几帳面で、B型はマイペース・・・これまで書籍や雑誌などで語られてきた「血液型」の性格診断は、みんなウソ――。日米合わせて1万人の意識調査を統計学的に分析し、「血液型と性格は無関係」と結論づけた九州大学講師の研究に注目が集まっている。

血液型の性格診断は俗説にすぎないということが、この研究によって明らかになったといえそうだが、日本企業の中には、血液型で「採用可否」を決めるところもあるようだ。ネット掲示板に相談を寄せたTさんは、ある企業のアルバイト面接で血液型を聞かれ、「B型です」と回答したところ、「B型は結構です」と採用を断られたのだという。

こんなふうに、面接で血液型を聞いたり、血液型を理由にして不採用を決めるのは、不当な差別だとして法的に問題にならないのだろうか。また、血液型で同僚の性格を決めつけたら、ハラスメントになったりしないのだろうか。野呂圭弁護士に聞いた。

●誰を採用するか「企業の自由」だが・・・

「企業(使用者)が誰を採用するかは、基本的に自由です。しかし、無制限というわけではありません。

たとえば、性別を理由にした募集や採用は禁止されていますし(雇用機会均等法5条)、労働組合に加入しないこと、もしくは脱退することを雇用条件にするのも禁止されています(労働組合法7条1号)。

また、このように法律で明記されていなくても、平等原則に反して公序良俗(民法90条)違反となる場合、採用の自由は制限されます」

それでは、血液型で採用・不採用を決めることはどうだろうか?

「血液型は本人に責任がなく、能力とも関係がない性質のものです。平等原則や、労働者の人格権保障の観点からすると、それを採用判断の理由として正当化するためには、少なくとも当該企業の業務との関連性が明らかにされなければならないでしょう」

●採用面接で「血液型」をたずねるのは?

血液型と関連性がある業務は、なかなか想定できないが・・・。

「そうですね。一般的に血液型が業務と関連するとは認められないでしょう。つまり、血液型のみを理由として採用拒否することは違法な差別であり、公序良俗(民法90条)違反となると考えられます。

同様に、採用判断のために血液型をたずねることも、こうした差別につながる個人情報の収集として、違法となり得ます」

血液型を採用基準とすることや、そのために血液型を聞くことも、許されないということだ。

そうだとすると、「B型だから・・・」などと同僚の性格を決めつけたりすることもダメなのか?

「そうですね。血液型と性格との合理的関連性が認められない以上、血液型で性格を決めつけることは不合理な取扱いであり、ハラスメントになり得ます」

野呂弁護士はこのように結論付けていた。

血液型の話は、会話のきっかけ作りにはなるだろうが、せいぜいその程度にとどめておいたほうがよさそうだ。

(弁護士ドットコム トピックス)

【取材協力弁護士】
野呂 圭(のろ・けい)弁護士
2000年10月に弁護士登録。業務分野は、一般民事、家事、刑事のほか労働事件(労働者側)など。また、仙台市民オンブズマンの活動もしている。
事務所名:仙台中央法律事務所
事務所URL:http://www.s-chuho.com/

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