山中に捨てられる「無縁墓」 墓守がいなくなった「墓」は誰が管理すべきなのか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年8月26日 17時3分

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「墓の墓場」が全国各地に出現――。朝日新聞は、墓を管理する「墓守」のいなくなった無縁墓から撤去された墓石が山中に捨てられ、不法投棄も行われていることを報じている。

朝日新聞によると、兵庫県南あわじ市の山中には約1500トンの墓石が不法投棄され、山積みになっている。その高さは4メートルにも達するそうだ。不法投棄は昨年も広島県や京都府で見つかり、この5年間で茨城、千葉、兵庫県などで業者が逮捕されたという。引き取った墓石の破砕処理に手間と時間がかかることが背景にあるようだ。

これらのすべてが無縁墓ではないだろうが、熊本県人吉市の調査によると、市内の4割超の墓が無縁墓だったという。無縁墓は誰がどう管理すべきなのだろうか。そもそも所有者はいないのか。墓地の問題にくわしい井上明彦弁護士に聞いた。

●宗教法人や自治体から「土地を借りる権利」を購入している

「そもそも無縁墓とはどのようなものか、説明しましょう。

民法では、お墓の所有権は、慣習に従って『祖先の祭祀を主宰すべき者』が承継すると定めています(民法897条)。

『祖先の祭祀を主宰すべき者』とは、どんな人のことだろうか。

「普通は長男になるでしょう。もっとも、今の少子化の時代では、常に長男がいるとは限りませんし、相続人自体が1人もいないという場合も珍しくはありません。

そうすると、お墓の所有権を承継する人がいなくなってしまいます。このような場合が、典型的な無縁墓にあたるでしょう」

では、無縁墓に所有者はいないのだろうか。

「お墓と一口にいいますが、お墓の土地とその上の墓石の所有者は違うことがあります。

お寺などの宗教法人や地方自治体が経営する墓地の場合、お墓を『購入する』というのは、正確には、一定の土地を『墓地として使用する権利』を宗教法人などから購入することをさします。その土地上に購入した墓石を建立して、死後、その中に遺骨を入れるわけです。

ですから、無縁墓の『土地』の所有者は、宗教法人や地方自治体であり、宗教法人などが無縁墓をそのまま維持できれば、今回新聞で報道されたような墓石の不法投棄は起こらないでしょう」

なるほど、誰が土地を所有しているのかがカギになりそうだ。では、なぜ今回のような問題が起きるのだろうか。

●無縁墓の遺骨は改葬され、墓石は撤去・破砕処分に

「無縁墓の場合、お墓の管理費を誰も支払ってくれませんから、宗教法人や自治体は、そのままお墓を維持することがコスト的に難しくなります。

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