加熱する「鉄道ファン」 列車の運行を妨げたら、どうなる?

弁護士ドットコムニュース / 2013年3月28日 17時23分

写真

関連画像

東急東横線と東京メトロ副都心線の直通運転に伴い、東横線渋谷駅は85年続いた地上ホームでの営業を終えた。最後の営業日となった3月15日には、このホームの姿を目に焼き付けておこうと、多くの鉄道ファンが殺到した。

鉄道ファンといえば、長年親しまれてきた列車が廃止になるとき、駅に詰めかけて撮影する姿がテレビニュースでよく流れているが、なかには駅員の注意を無視して列車に近づいたり、線路に立ち入って写真撮影をするなど、迷惑行動に出る鉄道ファンもいる。

昨年12月には、東京都内の高校2年の男子生徒が、山梨県内を走る中央本線の線路敷地内に立ち入って写真撮影をしていたところ、特急列車の運転手が見つけ緊急停止するという出来事があり、列車の運行ダイヤに遅れが生じた。

このように、鉄道ファンが迷惑な行動をして列車の運行を妨げた場合、鉄道会社は鉄道ファンに損害賠償を請求できるだろうか、前島憲司弁護士に聞いた。

●駅員に注意されただけでは、損害賠償請求の対象とならない可能性が大きい

「鉄道会社が鉄道ファンに損害賠償を請求する場合、民法の不法行為に基づく損害賠償請求権に基づいて、請求することになります。この場合、請求をするには具体的な損害が発生することが必要になります」

では、鉄道ファンの迷惑行為についてはどうだろうか?

「迷惑行為があったとしても、駅員に注意された、駅員の注意をきかなかった、というだけでは、鉄道会社に具体的な損害が発生するケースは少ないと思われるので、損害賠償請求はできない場合がほとんどでしょう」

つまり、迷惑行為といっても軽いものであれば、損害賠償請求の対象にはならないようだ。しかし、実際に損害が出れば、話が別である。前島弁護士は次のように説明する。

●列車の停止や遅延となると、鉄道会社は損害賠償請求が可能になる

「列車が停止した、列車が定刻に発車できずに遅延した場合などは、具体的な損害が発生するでしょう。例えば、ダイヤが乱れたため職員に超過勤務をしてもらった、非番の職員に出勤してもらった、それに伴って手当を支払ったなど、余計にかかった人件費がそうです。

それに、特急料金を払い戻した、振替輸送のため他の鉄道会社に費用を払ったなど余計にかかった費用は具体的な損害になります。さらに、急ブレーキをかけたためブレーキが摩耗した、停止・再発進したため余分にかかった電気代も合理的に算出が可能であれば賠償請求が可能でしょう」

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
日本最大級の弁護士/法律ポータルサイト。23万件の相談実績。無料法律相談・弁護士ランキング・口コミ弁護士検索でお悩み解決。他にも弁護士費用の見積比較・法律Q&Aなどの豊富なサービスとコンテンツで「インターネットを通じて法律をもっと身近に、もっと便利に。」

トピックスRSS

ランキング