「自分の身は自分で守る」ブラック企業に対抗するための「実践的な労働法教育」とは?

弁護士ドットコムニュース / 2014年9月15日 11時30分

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若者への労働法教育を考えるシンポジウム「若者をブラック企業から守るために 実践!ワークルール教育」が9月4日、東京都千代田区の連合会館で開かれた。日本労働弁護団とブラック企業対策プロジェクトが、学校教員を対象に開いた。

シンポジウムでは、ブラック企業問題にくわしい3人の論客が、ブラック企業の実態や労働法教育の重要性について語った。また、NPO法人「POSSE」が、高校・大学生向けに行っている「ワークルール教育」のやり方を、教員たちに紹介した。

●「若者を使いつぶす企業」が全般化している

登壇したPOSSE代表の今野晴貴氏は「違法な労働状態を社員に受け入れさせる手法を考え抜くことは、企業にとって経営戦略の一部となっている」と指摘し、次のように続けた。

「本屋に行くと、『残業代の浮かし方』『社員を安く使う方法』といった本が売られています。そこに必ず書かれているのが、固定残業制の話です。これは、入社した後で『あなたの給料には残業代80時間分が含まれています』などといって残業代を払わない働かせ方です。一見給料が高いように見せかけて、時給換算すると最低賃金レベルという場合も多いです。

この固定残業制は、会社と社員の間で合意がなされていれば、『契約自由の原則』によって即座に労働基準法違反とはならず、労働基準監督署も取り締まりません。

一度合意してしまうと、後で会社と争うことは非常に難しい。会社としても『22歳~23歳の社会経験もない若者が訴訟など起こすはずがない』と見切っているために、こうした手法が横行しているわけです」

今野氏は「大手の企業であっても、社員を違法に働かせて使いつぶすというやり方は新興企業を中心に増えています。『たまにひどい企業にあたる』というレベルではなく、もはや全般化しています」と強調した。

●難しい専門用語を使わない「実践的な労働法教育」

そういった企業に、若者が対抗する方法を、どうやって教えるかが、今回のシンポジウムのメインテーマだ。

POSSEが若者向けに行っている授業では、「不当な賃金カット」や「残業代不払い」などについて、イラストと分かりやすい文章で解説するテキストを使っているという。法律の勉強につきものの「条文引用」はなし。難しい専門用語もほとんど出てこない。

こうしたテキストを使う理由について、今野氏は次のように語った。

「いまは、実践的な労働法教育が足りません。

そうなってしまっている理由は、『頑張れば給料が上がって報われる』『訴訟なんか起こして波風立てないほうがいい』という認識が、親・教育者・そして労働者自身にあり、実践的なノウハウを教える労働法教育は不要・邪魔という暗黙の合意があったからです。

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