「公正かつ中立的な報道を」 美濃加茂市長・初公判をむかえ弁護人が要請(全文)

弁護士ドットコムニュース / 2014年9月17日 15時31分

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受託収賄などの罪で起訴された岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長の第1回公判が9月17日、午後4時から名古屋地裁で開かれる。藤井市長の弁護人を務める郷原信郎弁護士は公判に先立ち、報道関係者に「公正かつ中立な報道」を求める要請文を送付したと、ツイッターで明らかにした。

この事件に関して、藤井市長に現金を渡したとして起訴された設備会社の中林正善社長は9月8日、自らの裁判の初公判で「(賄賂を渡したのは)間違いありません」と起訴内容を認めたと報じられている。郷原弁護士は要請文で、「(中林社長の裁判で)検察官の冒頭陳述が具体的かつ詳細に報じられることで、現金授受を全面的に否認している藤井市長が、あたかも有罪であるかのような印象」を与えたと懸念を表明した。

さらに、9月17日の藤井市長の第1回公判でも、「現金授受の具体的状況に関する検察官冒頭陳述が詳細に報道された場合、中林供述に基づく現金授受の具体的状況に関するほぼ同一内容の検察官の主張が二度にわたって報じられることで、それが読者・視聴者に印象づけられることになる」と指摘。検察側と弁護側の報道が「実質的に対等」になるよう、マスコミに配慮を求めている。

郷原弁護士が、報道関係者にあてて発表した要請の全文は以下の通り。

●藤井浩人美濃加茂市長の第1回公判の報道についての要請

藤井浩人主任弁護人 弁護士 郷原 信郎

藤井浩人美濃加茂市長の受託収賄等事件に関する報道については、9月8日に開かれた贈賄供述者中林正善の公判での検察官冒頭陳述の報道に関し、検察官の冒頭陳述が具体的かつ詳細に報じられることで、現金授受を全面的に否認している藤井市長が、あたかも有罪であるかのような印象を読者・視聴者に与えて藤井市長の名誉が棄損されることを懸念し、刑事事件に関する対等報道の観点に基づく格段の配慮を要請したところである。

9月17日午後4時から名古屋地方裁判所で行われる、藤井市長にかかる被告事件の第1回公判において、当職ら弁護人は、中林の贈賄供述の信用性に重大な問題があることなど、検察官の主張に対する具体的反論を詳細に行う予定であるが、同公判の報道に当たっても、以下の各事項を考慮し、公正かつ中立的な報道が行われることを強く要請するものである。

① 本件については、弁護人からの再三にわたる客観・中立報道の要請にもかかわらず、藤井市長逮捕直後から、捜査機関側の情報に基づくと思える「有罪視報道」が繰り返され、公人たる藤井市長の名誉が著しく棄損されてきた。今回の第1回公判における弁護側冒頭陳述等による弁護側主張は、これまでの「有罪視報道」に対しても、初めての具体的反論となるものであり、弁護側冒頭陳述の具体的内容を可能な限り詳細に報じることが、捜査側の情報に基づく「有罪視報道」によって読者・視聴者に生じた誤解を早期に是正し、名誉棄損によって生じ得る法的責任を最小化するための最も有効な手段であること。

② 当職は、上記中林公判の報道に関して、信用性に重大な問題がある中林供述に基づく検察官の冒頭陳述のうち、現金の授受の具体的状況について報道することは差し控えることを要請したが、報道各社は(中林供述の信用性に関する弁護側の主張を付記してはいるものの)、現金の授受の具体的状況を報じた。今回の藤井公判における、現金授受の具体的状況に関する検察官冒頭陳述が詳細に報道された場合、中林供述に基づく現金授受の具体的状況に関するほぼ同一内容の検察官の主張が二度にわたって報じられることで、それが読者・視聴者に印象づけられることになる。そのような検察官冒頭陳述の報道と、それに対する弁護側の初めての具体的反論としての藤井公判での弁護側冒頭陳述等の報道とが「実質的に対等」となるように配慮することが、「対等報道」の観点からの公正かつ中立的な報道として求められると思料されること。

以上

(弁護士ドットコムニュース)

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