<国会・靴投げ裁判>「靴は審議を妨げていないから無罪」被告人の弁護士に主張を聞く

弁護士ドットコムニュース / 2014年10月11日 10時48分

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昨年12月に成立した「特定秘密保護法」。国会での審議中、抗議のために靴を投げ込んだ男性が逮捕された。その刑事裁判がいま、東京地裁で進められている。これまで公判は3回開かれ、11月5日には、いよいよ被告人質問がおこなわれる予定だ。

罪名は「威力業務妨害罪」。文字通り、「威力」を用いて他人の「業務」を「妨害」する罪だ。男性は、<靴を投げて国会の審議を妨害した>として逮捕され、起訴された。84日間の勾留のあと、保釈金200万円で自由の身となった。しかし、刑事裁判の被告人という立場は変わらない。

裁判で、男性の弁護人は「靴は国会の審議をまったく妨げなかったので、威力業務妨害罪は成立しない」と主張している。はたして、その主張は認められるのか。そもそも、なぜ男性は靴を投げたのか。主任弁護人をつとめる川村理弁護士に話を聞いた。(取材・構成/具志堅浩二)

●「国会の議事の進行への影響はなかった」

――事件当時の状況を教えてください。

「12月6日の午後10時51分、Aさん(被告人男性)は参議院3階の傍聴席から本会議場に向けて、運動靴を片方ずつ投げました。これは争いようのない事実です」

――靴は、どこまで飛んだのですか?

「1つ目は、議長席と議員席の間まで飛んでいきました。投げた直後に衛視(国会の警備にあたる職員)がAさんの身柄を拘束しにきて、もう片方を投げるときには完全に制圧されました。2つ目は投げたというよりも、議員席(自民党席付近)にそのまま落ちた感じです」

――起訴理由を教えてください。

「罪名は、『威力業務妨害罪』です。起訴事実は、『被告人は12月6日に開かれた本会議の議事を妨害しようと企てて、同所において、2階議員席に向けて3階の傍聴席から運動靴一足を片方ずつ投げ入れ、同議場を一時混乱状態に陥れ、もって威力を用いて業務を妨害した』というものです」

――議事の進行に影響を与えたのでしょうか?

「いいえ。議事の進行への影響はありませんでした。靴を投げる前から、本会議場は、机を名札で叩く音が鳴り響くなど騒然としており、Aさんの投げた靴が実際に議事の妨げになるということはなかったのです」

――靴を投げたことに気付いた議員は?

「Aさんの靴が落ちた議員席の近くにいた自民党議員や事務局長、衛視は気付いていましたが、議長は知らなかったと思います。大半の議員は気付いていないのではないでしょうか。

つまり、Aさんの行為は、国会の議事、すなわち『業務』を妨害するほどのものとは評価できないのです。したがって、威力妨害罪(刑法234条)における『威力』があったとはいえないので、無罪だと考えています。

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