「弁護士制度は誰のためにあるのか」司法試験「3000人合格」訴える弁護士らが集会

弁護士ドットコムニュース / 2014年10月28日 19時51分

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法科大学院(ロースクール)の基盤強化や新人弁護士の支援を目的に、弁護士や学者らが設立した団体が10月27日、東京・霞が関の弁護士会館で、「司法試験の合格者3000人の実現」を訴える集会を開いた。企業や労働組合、NPOの代表などがリレー形式で話し、適正な法曹人口について議論した。

かつて年間500人程度だった司法試験の合格者数は、法科大学院制度の導入を契機として大きく増え、2000人規模まで拡大した。その結果、2000年に約1万7000人だった弁護士の数は倍増し、2014年には約3万5000人となった。そのような事態を受け、業界内部からは「弁護士の需給バランスが崩れている」「能力やサービスの質が低下している」として、「合格者数を1000人以下に減らすべき」という声もあがっている。

一方で、集会の主催団体「ロースクールと法曹の未来を創る会」は、日本の発展のためには、さまざまな分野の経験や能力をもつ法曹(弁護士・検察官・裁判官)をつくり出すことが必要だとして、合格者数を3000人に増やすべきだと主張している。

●「法曹の活動領域を広げる」

「幅広い知識と経験を有する法曹の活動領域を広げ、日本の社会を変えていこうと考えている。これまで、法廷弁護士だけが弁護士で、国民の相談にのったり、交渉をするのは弁護士ではないように扱われてきた」

冒頭のスピーチで、代表理事の久保利英明弁護士はこう指摘したうえで、次のように続けた。

「弁護士制度は、本来、人権擁護、公益の増進、社会の透明化をつくっていくためにある。弁護士の生活のためにあるわけではない。司法を小さく、あるいは弱く、国民から遠いものにしておきたいという人たちは既得権益者で、新しい未来を創っていこうという若い世代や真剣に物事を考えている人たちの考えとは違うと確信している」

早稲田大学大学院ファイナンス研究科の川本裕子教授は、グローバル経済の観点から、次のように話した。

「当初の計画は、2010年までに『3000人合格』にするという方針だった。これは、国際的にみて圧倒的に少ない法曹人口を、少なくともヨーロッパと同じくらいに引き上げるということで、国民や企業の紛争を未然に防ぐため、助言をしてくれるサービスを増やそうという狙いがあった。

グローバル経済の中で、企業同士のぶつかり合いを司法の場で決着させる機会が増えている。その観点からは、もとの3000人も少ないと思っている。国民目線の原点に立ち返っていただきたい」

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