なぜ「働かないオジサン」はクビにならないのかーー法律は「彼」をどう守っているか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年11月3日 11時5分

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「働かないオジサン」はなぜ働かなくなってしまったのか?そんな話題が、ネット上で大きな議論を呼んでいる。

きっかけは、『働かないオジサンになる人、ならない人』『働かないオジサンの給料はなぜ高いのか』などの著書で知られるキャリアコンサルタント・楠木新さんによる「働かないオジサン」論だ。

役職につき、会社に出てきても、特にこれといった仕事をしない。若手が取ってきた仕事の不備を指摘するだけで、定時にきっちり帰っていく。ひどいケースになると、勤務時間にただ雑誌を読んだり、ネットサーフィンをしているだけという人もいるようだ。

「自分では仕事をしてるつもり」「仕事をしているフリが上手い」「無気力」・・・。他にもいろいろあるのだが、彼らに共通する特徴は「まともな仕事をしない」ということ。若手からは「なぜ自分の3倍も給料をもらっているのか、意味が分からない」「せめて給料分の仕事をしてほしい」など、多くの批判的な意見が寄せられている。

しかし、仕事をしていないのに、なぜ会社をクビにならないのだろう。日本型の雇用システムに問題があるという意見もある。「働かないオジサン」がクビにならない理由について、労働法にくわしい神内伸浩弁護士に聞いた。

●会社に来ているだけで「義務」は果たしている?

「労働法には、『ノーワーク・ノーペイの原則』というものがあります。これは、『実際に働かなければ、給料をもらえない』という内容です」

この原則からすれば、『働かないオジサン』に対して、給料を払う必要はないようにも思えるが・・・

「たしかに、自分は与えられた仕事を真面目に頑張っているのに、その横で怠けているように見える人に、高額な給料が支払われていると知れば、モチベーションが低下するというのも無理からぬことでしょう。

しかし、注意しなければならないのは、『実際に働く』とは『成果を上げる』ことではない、という点です」

「働く」ことと「成果を上げる」ことが同じでないとは、どういうことなのだろうか?

「会社に勤めている多くの人が結んでいる『雇用契約』とは、『労働力を提供して、その対価として賃金を受け取る』契約をいいます。

極端な言い方をすると、朝9時に出社し、夕方5時まで会社のデスクに座っていさえすれば、『労働力を提供』していることになります。

『働かないオジサン』が、どんなに実際に仕事をしていないとしても、会社に出てきているだけで、法的に見ると契約で決めた義務を果たしているといえるのです。

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