純金の手裏剣、まぐろ1匹・・・特典合戦が過熱する「ふるさと納税」問題はないのか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年11月9日 13時0分

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ついに「純金」の手裏剣まで現れた——。応援したい自治体に寄付する「ふるさと納税」を呼び込もうと、自治体がお礼の特典競争に躍起になっている。報道によると、三重県伊賀市は10月から、500万円以上の寄付者に24金の手裏剣(約30万円相当)を贈ることにした。一方、静岡県焼津市は、100万円以上の寄付者に50万円相当の「天然南まぐろ」1匹分をプレゼントするという。

ふるさと納税は、「納税」という呼び名がついているが、正確には「寄付」という位置づけとなっている。自分で選んだ都道府県や市区町村への寄付金のうち、2000円を超える部分について、一定限度額まで、所得税と住民税が控除される仕組みだ。

最近は、寄付を受けたい自治体の「特典競争」がクローズアップされることが多いが、国全体としては、どんなメリットやデメリットがあるのだろうか。中村太郎税理士に聞いた。

●納税者の「自治意識」が進化する

「国全体で見れば『自治意識の進化』というメリットがあります。ふるさと納税により、各自治体が、納税者に関心を持ってもらえるようにアピールする必要があり、自治体間の競争が刺激されるからです。

納税者自らに『納税』する自治体を選択する権利を与えることは、地方自治の健全化や進化へとつながります。納税者にとっても、地方行政に対する関心や参加意識が高まるという効果が期待できます。

実際、ふるさと納税を導入している地方自治体をみると、納税者に寄付金の使い道を選択できるようにしている制度を導入している自治体がほとんどです。『子育て環境を整えるための資金』や『震災復興のための資金』、『自然を守るための森林育成資金』など、納税者が使い道を選択できる唯一の制度になっています」

●マイナンバー制度で「受益と負担」の不均衡を是正

では、デメリットは、どのようなことが考えられるのか。

「地方税の原則である『受益と負担』のバランスが崩れることです。そもそも、個人住民税はその地域に居住する住民が、地方自治体が提供する行政サービスの対価として支払うものです。

ふるさと納税は、自分が行政サービスを受けていない地方自治体へ『納税』する形になる一方で、自分が居住する地方自治体から行政サービスを受けていながら、負担すべき税を一部については納税しないことになります。

地方自治体の税収が減れば、当然、行政サービスの水準を低下させる恐れもあります。また、行政サービスの水準を維持するために、最悪の場合、増税を選択する地方自治体が乱立する恐れもあります」

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