京大で学生と警官がトラブル 「捜査のため」でも大学に勝手に入ったらダメなのか?

弁護士ドットコムニュース / 2014年11月11日 11時58分

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京都大学で11月4日、京都府警の「私服警官」が大学構内に無断で立ち入ったとして、同大学の学生とみられる男性らに取り囲まれ、教室に連れていかれる騒ぎがあった。京大は、大学と京都府警との間の取り決めに反するとして、「事前通告なしに警察官が立ち入ることは誠に遺憾」とコメントを発表した。

報道によると、キャンパスでは当時、東京都内のデモに参加した京大生が公務執行妨害容疑で逮捕されたことに対する抗議活動が行われていたようだ。取り囲まれた警察官は、過激派などの捜査を担当する京都府警警備二課に所属していたという。

大学は、学生以外のさまざまな人が訪れることもあるはずだ。警察官が立ち入ったことが、なぜ、ここまで大騒ぎになったのだろうか。大学の敷地は、一般の社会と違う特別なルールがあるのだろうか。憲法問題にくわしい林朋寛弁護士に聞いた。

●大学には「自治」が保障されている

「捜査目的だからといって、警察官がどこにでも立ち入ることができるわけではありません」

このように林弁護士は切り出した。大学は、捜査目的でも入ることが許されないような特別な場所なのだろうか?

「今回、問題となっているのは『大学の自治』の侵害です。『大学の自治』とは、学問の自由(憲法23条)の内容の一つです。

具体的には、大学内の人事や施設・学生の管理などについて、国家権力からの干渉を排除するということです。

『大学の自治』が認められている背景には、大学の研究に国家が干渉してきた歴史があります」

国家は、大学に全く干渉できないということだろうか?

「いえ、そういうわけではありません。警察官が犯罪捜査のため、適法な手続によって、学内に立ち入ることは許されます。

しかし、今回のような隠密の警備公安活動等は、自由な研究・思索をする大学という場を壊す危険が大きいので問題です」

●「東大ポポロ事件」とは?

ネット上では、1952年に東京大学で起きた「東大ポポロ事件」との類似性を指摘し、今回の騒ぎを「京大ポポロ事件」と呼ぶ声もあった。これは、どんな事件だったのだろうか?

「東大の学生団体『ポポロ劇団』が教室で行った演劇発表会の最中、学生が観客の中に紛れていた私服警官を発見しました。

その際、私服警官に対して暴行をしたとして、学生が『暴力行為等処罰に関する法律』違反で起訴されたという事案です」

裁判では、どんな判決が出たのだろうか?

「地裁・高裁では、学生の行動が『大学の自治』への侵害に対する防止手段であるとして、無罪判決が下されました。

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