「ストーカー対策」専門家が議論する研究会 「逗子ストーカー事件」遺族が立ち上げ

弁護士ドットコムニュース / 2014年11月11日 20時55分

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深刻なストーカー被害があとをたたないことから、被害者遺族や大学教授らが対策について議論する「ストーカー対策研究会議」を立ち上げることになった。東京・霞が関の司法記者クラブで11月11日、記者会見を開いて発表した。

法学や社会学、心理学などの専門家たちが集まり、被害者の救済や警察の対応のあるべき姿のほか、加害者のカウンセリングや治療なども含めて議論し、抜本的な解決に向けた提言をめざす。11月15日に初会合を開く。

●「ストーカー対策について冷静に議論する場がない」

研究会の代表は、被害者遺族の大学教員・芝多修一さん(仮名)。2012年11月に神奈川県逗子市で起きた「逗子ストーカー事件」で、妹が元交際相手に殺害された。この事件では、警察の対応のまずさや探偵業者の加害者への情報提供などが問題視され、その後、ストーカー規制法の改正にもつながった。

ただ、加害者である元交際相手は事件を起こしたあとに自殺。芝多さんは「どうやって怒りを覚えたらいいのか」と、悲しみや戸惑いの混ざった複雑な気持ちになったことを打ち明けた。さらに、「結局、また同じことが起きるのではないか」という疑問をぬぐい去ることができなかった。

そして、関連書籍を読みあさるうちに、ストーカーに関する「専門書」や冷静に議論する「場」がないと気づき、研究会の立ち上げを決心した。

「本当はもう少し早く始めたかったのですが、個別に協力をお願いするなかで、事件から2年経った、このタイミングになりました。非常に問題の根が深く、そう簡単に答えを出せるものではありませんが、広く議論する場を作りたい」と力説する。

●法学や心理学、社会学などの専門家が集う

研究会では、「逗子ストーカー事件」を題材として、法学や臨床心理学、社会学の研究者、公的機関やNPOの関係者がメンバーとなって、ストーカー対策を議論する。テーマは、警察の取り組みと課題、保護観察所の役割、加害者への治療・臨床的アプローチなど多岐にわたる。被害者の「落ち度」についても、中立的な観点から議論する点が特徴的だ。

芝多さんは「次の被害者へのアドバイスにつなげたい」と述べたうえで、「研究会は、あくまで『専門家が議論する場』です。遺族の立場としては、法律改正や組織づくりなど、何をすべきかを考えたうえで、別の運動としてやっていくつもりです」と語った。

研究会は、11月から来年10月まで、計6回にわたって実施する。その成果として、2016年度に公開シンポジウムの開催と専門書の出版をめざす。

(弁護士ドットコムニュース)

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