<一票の格差>「選挙無効は解散より混乱が少ない」弁護士らが衆院選「無効」求め提訴

弁護士ドットコムニュース / 2014年12月15日 22時23分

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今回の衆院選の小選挙区は「一票の格差」が是正されておらず、憲法の平等原則に違反するとして、弁護士グループが12月15日、選挙の無効を求めて、各地の高裁と高裁支部に提訴した。衆院選は終わったばかりだが、弁護士らは「選挙無効のほうが、衆議院の解散よりも社会的混乱が少ない」として、裁判所による決断を求めた。

●「海江田代表は他の選挙区なら当選していた」

提訴後の記者会見で、原告団の伊藤真弁護士は、民主党の海江田万里代表が東京1区で落選したことに触れ、「一票の格差」が背景にあると指摘した。

「海江田代表は約8万9000票の得票で落選した。しかし、8万9000票以下で当選している選挙区は、全国で130選挙区ある。彼は、この『130のどこか』から出ていれば、問題なかった。国会議員を選ぶのに、その背後の主権者の数がバラバラなのは、どう考えてもフェアではない。民主主義とは言えない」

同じく原告団の久保利英明弁護士は、「国会議員の背後の主権者の数がバラバラ」という状態を是正することは「司法」の役割だと強調した。

「県をまたいだり、工夫をすれば、一人の国会議員の背後にいる国民の数がイコールになる選挙区を295作ることは可能だ。やればできることを(国会に)させない司法の責任が、一番大きい」

久保利弁護士は、国会議員が自分たちの手で現状を変えることは困難だという。「国会議員は自分が利害関係人だ。先祖伝来の家業として継いでいる国会議員のポジションが、選挙区を変えることでなくなるおそれがある。利害関係人は、自分の利害が関係することはジャッジしてはいけない」と述べた。

●小選挙区が無効になっても、比例代表の議員がいる

だが、衆院選の小選挙区について、最高裁はこれまで「違憲状態である」としつつも、「選挙無効」という最終決断はしてこなかった。選挙を無効にすると、国会議員がいなくなり、社会的な混乱が起こると言われてきたからだ。

しかし、升永英俊弁護士は、選挙を無効にしても「社会的混乱」は起こらないという。

「295人の(小選挙区の)国会議員がいなくなるということは、解散と同じだ。むしろ(比例代表の180人が残っているから)解散よりも、社会的変更は少ない。そして、解散を社会的混乱と言う人はいない」

このように述べたうえで、升永弁護士は「180人の国会議員がいれば、衆議院の活動に支障はない。総理大臣も指名できるし、法律も作れるし、条約も結べる。予算も組める。社会的混乱は起きない」と語り、最高裁が「選挙無効」という大きな決断に踏み切るべきだと主張した。

(弁護士ドットコムニュース)

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