犬の「大量遺棄事件」はなぜ起きたのか?弁護士が指摘する「ペット業界」の構造的問題

弁護士ドットコムニュース / 2014年12月29日 12時20分

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栃木県の河川敷や山林で10月〜11月、ミニチュアダックスフントやトイプードルなどの人気犬種約80匹が遺棄された状態で見つかるという事件が起きた。

その後、ペットショップの元従業員が犬を捨てた疑いで逮捕され、罰金の略式命令を受けた。報道によると、愛知県のブリーダーが廃業した際に犬80匹を買い取ったが、木箱に入れてトラックで輸送しているときに多くが死んでしまい、処分に困って捨てたのだという。

ほぼ同じころ、佐賀県で大量の犬が捨てられていたというニュースが報じられた。ペット業界でいま、何が起きているのか。ペットの問題にくわしい細川敦史弁護士に聞いた。

●大量遺棄事件は過去にも起こっていた

——栃木の遺棄事件について、どう見ていますか?

「法改正によって、業者が保健所に動物を持ち込めなくなったことが事件のきっかけと見る声もあるようですが、必ずしも法改正だけが事件の要因とは言えません。そもそも法改正前から、業者による10匹や20匹の大量遺棄事件は起きていました。個人遺棄にいたっては日々各地で起きています。

また、保健所での引き取りが義務だった法改正前でも、『業者からの引き取り要請には応じない』という自治体も半分くらいありました。

むしろ、ペットを飼う人が減り、売れる数が少なくなって、業者の経営状態が悪化したことが大きな要因だと思います」

——今回のように大量の犬が遺棄・放置された事件は、過去にもあったのでしょうか?

「はい。たとえば2009年に、茨城県のある繁殖業者の施設で、劣悪な環境で飼育されていた64匹の犬が見つかった事件がありました。犬たちは糞尿まみれの狭いケージで飼育されており、毛も爪も伸び放題のひどい状態だったようです。

この事件では、64匹の犬すべてに対して虐待(ネグレクト)があったと認められました。通常、犬は一匹ずつ検査をするので、何匹かは虐待が認められない犬がいてもよさそうなものですが、64匹すべてに虐待が認められたというのはかなり珍しいです。この事件は2009年に発覚し、2010年に繁殖業者が罰金で処罰されました」

——64匹もの犬を虐待して罰金だけというのは、刑が軽いような気もしますが・・・

「この事件のとき、動物をネグレクトした人への罰金は上限50万円でしたが、2012年の法改正で、上限が100万円まで上がりました。

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