安倍首相の「美容室でカット」は違法?「男の散髪」をめぐる奇妙なルール

弁護士ドットコムニュース / 2015年3月10日 9時25分

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安倍晋三首相が楽しみにしている「美容室でのヘアカット」は、法令違反の疑いがあるーー。そんなニュースが3月4日、日本経済新聞に報道され、美容師業界に動揺が広がっている。安倍首相は妻の昭恵さんから勧められて、東京・渋谷の美容室に通っているようだが、美容師が男性の髪をカットするのは「違法」だというのだ。

●「男性のヘアカット」は厚労省の通知で規制

根拠とされるのは、厚生省環境衛生局が1978年12月に各都道府県知事あてに出した「理容師法及び美容師法の運用について」という通知だ。その「2の(2)」には「美容師の行うカッティングについて」という項目があり、こう書いてある。

<美容師が、コールドパーマネントウエーブ等の行為に伴う美容行為の一環として、カッティングを行うことは、その対象の性別の如何を問わず差し支えないこと。また、女性に対するカッティングは、コールドパーマネントウエーブ等の行為との関連の有無にかかわらず行って差し支えないこと。しかし、これ以外のカッティングは行ってはならないこと>

ちょっとわかり辛い書き方だが、要するに「美容師は、女性のカットは無条件にしていいが、男性については、ただカットだけをするのはいけない」ということだ。これはいったい、どういうことなのか。厚生労働省にきいてみた。

「美容所での男性のヘアカットを一律で禁じているのではなく、『パーマ等の行為に伴う美容行為の一環として』なら認めています。ただし、男性の『カットだけ』という行為は、本来的には理容所でおこなわれる行為と想定しており、美容所でおこなってよいという整理はしていません」(厚生労働省健康局生活衛生課)

つまり、ヘアカットと同時に、パーマや白髪染め、カラーリングなどの施術を行えば、問題ないというわけだ。ただ、美容室でよくおこなわれている洗髪後の簡単なマッサージは、「美容行為の一環」とは認められないという。そのため「マッサージつきだからカットだけでOK」とはならないのだ。

●「そんな規則は初耳」と驚く美容室店長

しかし、美容室でカットする男性もごく普通になってきた。「違法」と言われても、ピンとこない現状がある。実際、東京都港区のある美容室店長も「そんな規則は初耳。何かの間違いなのでは?」と驚きを隠さない。

「美容室業界では男性客が年々、増えていて、多いサロンでは3割くらいが男性客だと聞いています。理容師さんは刈り上げや髪の毛の『面』を作る技術は高いと思います。でも、最近の流行は、メンズも柔らかさや自然さを出すことです。この技術は美容師のほうが高い。ガールフレンドや奥様に勧められて、来店する男性客も多いんですよ」

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