LINEのハートスタンプを「好意」と勘違い 「疑似恋愛型セクハラ」はなぜ起きる?

弁護士ドットコムニュース / 2016年7月24日 10時30分

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職場で起こるトラブルの代表として、いまも問題が絶えないセクシャル・ハラスメント(セクハラ)。上司が部下と恋愛関係にあると勘違いして、セクハラ行為をする「疑似恋愛型」も少なくないそうですが、そのようなセクハラはなぜ起きるのでしょうか。もしセクハラに遭ったら、どうすればいいのでしょう。女性の労働問題に詳しい山崎新(あらた)弁護士に、じっくりと話を聞きました。(取材・構成/亀松太郎)

●セクハラなのに「恋愛関係」と思い込む

――最近のセクハラは、どんなパターンが多いのでしょうか?

昔からの王道ですが、男性の上司が女性の部下にセクハラをするパターンがやはり多いですね。40代・50代の既婚者で、部長や社長など社内で強い立場にある男性が、20代・30代の若い女性社員にセクハラをするパターンです。

そのとき、セクハラの行為者本人は単なる「恋愛(不倫)」と思っているケースがよくあります。セクハラだと全然思っていない。

40代や50代の既婚男性が20代の女性と「恋愛」をするなんてあまりないことだと思いますが、実際に裁判になると、男性側から「恋愛関係だった。だから性的行為も合意の上だった」という主張が出てくることが多いんですね。

――「合意の上だった」と主張する根拠は、何かあるのですか?

最近多いのは、メールやLINEの送信内容が問題になるケースです。

近ごろは上司と部下の間でメールやLINEのメッセージをやりとりすることも増えていますが、若い女の子は気軽にハートマークの絵文字やスタンプを付けたりするんですよね。また、メールやLINEで、上司と部下が頻繁にやりとりをしていると、その中にプライベートな内容が含まれることもあります。そうすると、上司の側は「恋愛関係だった」「むしろ誘われたんだ」ぐらいに思ってしまうわけです。

セクハラの裁判では、そういうメールやLINEの中身が証拠として提出されることが当たり前になってきています。

――女性の部下の側の真意は違うのですか?

たとえば、男性の上司が女性の部下を食事に誘ったとします。女性は「上司と二人で行くのは嫌だな」と思いながらも、上司に誘われたら断われないと生真面目に考えたり、何回断ってもしつこく誘われるので、断り切れずに誘いに応じることがあるんですよね。その食事の場で、上司が酔った勢いで部下の体を触ったりするセクハラが多いです。

触られた女性の部下としてはものすごく違和感があるし、傷つくんですが、それでもやっぱり上司だからと思って、社交辞令のつもりで「今日はありがとうございました」とか「今日は楽しかったです」といったメールやLINEを送ったりするんですね。本当は感謝もしていないし、楽しかったとは思っていなくても、そういうメッセージを送るべきだと思い詰めてしまうんですね。

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