競売後に車庫から「遺体発見」 落札者は文句を言えないのか

弁護士ドットコムニュース / 2013年6月20日 14時29分

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俗に「事故物件」とか「ワケあり物件」とか呼ばれる賃貸住宅がある。もとの居住者が、自殺や殺人などによって亡くなった、いわゆる「なんか出そうな」いわくつきの物件である。霊など信じていない人であっても、その部屋で過去に自殺や殺人があったと聞けば、心地よく住めるものではないだろう。ましてや、やっと手に入れたマイホームの車庫から、謎の遺体が発見されたとしたら……。

ヒッチコックか、スティーブン・キングか。まるで推理小説のような事件が、日本国内で起きていた。しかもこの事件では、「遺体があると知っていれば、もっと安い値で(競売で)落札できたはず!」と、都内の不動産会社が、国に損害賠償を求める裁判を起こしていた。

朝日新聞によると、この不動産会社は昨年1月、東京地裁の競売で、練馬区内の土地・建物を約1470万円で落札した。ところが取得直後の3月、同社の従業員が現地を訪れて、車庫にあった車の後部座席で、男性の遺体と対面することになったという。

損害賠償請求事件については4月24日、東京地裁が不動産会社からの請求を退ける判決を下した。判決は「競売の対象物件ではない車の中まで確認する義務はなく、執行官に落ち度はない」と判断したようだが・・・。

市場取引では「ワケあり物件」が安くなるのは当然だし、売り主に告知義務もあると聞く。今回裁判所がこういう判断を下したのは、競売物件だったことが原因なのだろうか。不動産関連の訴訟に詳しい池田伸之弁護士に聞いた。

●「キズモノ物件」を売ると、責任を問われることがある

「不動産の取引では、犯罪・自殺・不審死等の事件が起きた物件について、そのような事情を知らなかった買主が、契約解除や代金減額を求める裁判を起こすことがあります」

このように池田弁護士は、不動産取引をめぐるトラブルの実情を話す。そういう訴えは認められるのだろうか?

「このような物件の不具合は、心理的な『瑕疵(かし)』があったとして、売主に瑕疵担保責任が認められることがあります。瑕疵とは、キズのことです。つまり、『瑕疵担保責任』というのは、キズモノ物件を売った責任があるという話ですね」

●今回の裁判で、落札者の請求が認められなかったワケ

では、なぜ、今回の車庫から遺体が発見されたケースではダメだったのだろう?

「これが民間の売買であれば、一定範囲の代金減額は認められたと思います。ところが、『競売物件』については、この瑕疵担保責任が法律上認められていないのです」

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